18日から24日までの1週間が、春節に合わせた大型連休となった中国。陝西省にある秦始皇帝陵博物院の兵馬俑一号坑発掘修復現場では連休期間中、修復中の兵馬俑の一部にラップが巻かれ、来場者の間で話題になった。同博物院は24日、取材に対して、「兵馬俑に残っている彩色上絵を保護するための手段」と説明している。中国新聞網が報じた。
一号坑考古隊を率いる申茂盛氏によると、兵馬俑には全て、元々彩色上絵が施されていたものの、約2200年という時を経て、火災も経験している上に、地中に埋められていたため劣化し、発見されても、体が完全な状態ではないほか、彩色上絵の多くが禿げてしまい、まだらになっている。比較的完全な状態で色が残っている兵馬俑はごくわずかだという。
同博物院の専門家は、「修復中の兵馬俑を保護するために、ラップを巻くという方法は、これまでずっと使われてきた手段。一号坑の3度目の発掘調査で出土した兵馬俑の多くに色が残っていた。しかし、湿度の高い地中から取り出すと、水分がなくなり乾燥してしまうため、ヒビが入り、変形してしまう。彩色上絵を保護するために、特殊な液体を使用する」と語る。
その液体が塗布されてから、彩色上絵の状態が安定するまでには、一定期間必要で、その期間、ラップを巻いて、乾燥やホコリなどがかかるのを防いでいるという。彩色上絵の状態が安定すれば、ラップは外される。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年2月25日