魯迅
日本の著名な魯迅研究家である藤井省三氏(東京大学)が3日、南京外国語学校で「村上春樹と魯迅」というテーマで講演を行った。藤井氏は、「長きに渡って魯迅の作品は日本で非常に歓迎され、中学高校の国語教材でも紹介される必読作品となっている。書店でも魯迅の作品は非常によく売れる文学作品となっている」と紹介する。その一方で、南京の学生が魯迅の作品を読むことは非常に稀であることが学校での取材で分かった。学生たちは村上春樹や東野圭吾といった日本の現代作家の作品の方が興味深いようだ。金陵晩報が伝えた。
中学で「故郷」を、高校で「藤野先生」を読む日本の学生
藤井氏によると、日本の中学3年生の国語教材を出版する出版社のうち、5社が魯迅の「故郷」を収録しているという。
高校の国語教材では、「藤野先生」と「孔乙己」が最も多く収録されている。「藤野先生」は、魯迅が日本に留学していた時の恩師を描いた作品で、日本人にも馴染み深い。また、「孔乙己」の主人公の孔乙己は、科挙制度の犠牲者として描かれているが、試験は日本の高校生にとって最も現実的な問題だ。「薬」を収録する教材もあるという。
「むしろ自国の村上春樹や川端康成、大江健三郎といった作家の作品は、国語教科書においてそれほど重視されていない」と藤井氏は語る。日本の教育基準では、「故郷」は中学生の必読作品、「藤野先生」は高校生の必読作品と定められているのだ。