魯迅を重視せず、課外時間にも魯迅を読まない中国の学生
北京魯迅博物館元副館長の陳漱渝氏は、昨年「教材における魯迅」という書籍を出版した。陳氏は「魯迅の作品が教材から撤退したというような表現は大げさだが、減少傾向にあることは事実」と語る。
南京外国語学校で中学の国語を担当する蒋興超氏によると、同校中学1年生後期で使用される人民教育出版の教材から「風筝」が除外されたという。南京の高校生用の国語教材は「江蘇省教育出版社」のものだが、必読とされる魯迅の作品は「祝福」、「拿来主義」、「記念劉和珍君」の3作品のみで、この他の作品は「魯迅選集」として選択閲読となっている。
また、課外時間に魯迅の作品を読むという学生も少ない。同講座に参加した学生10名にインタビューを試みたところ、魯迅の作品を課外時間に読むと答えた学生は1人に留まった。
なぜ中国の学生は魯迅を好まないのか
この疑問に対して、藤井氏は「恐らくそれは学習方法の違い。中国の学生は丸暗記学習が多く、魯迅の作品は表現も難しく覚えづらい」と語る。同校国語教員の劉洪雷氏は、「魯迅の作品は過激、冷酷といった印象を受けるが、時代背景と結び付けて理解する必要がある」とし、南京師範大学付属中学校教員の倪峰氏は、「真実と魯迅の全体像を知ったとき、彼を一層好きになるだろう」と語った。(編集IM)
「人民網日本語版」2014年11月5日