学生の頃、大学の先生が文学作品の登場人物について、「頑固一徹」な人物ほど魅力的だという持論を語っていた。(文:楊子岩)
だが頑固一徹な人物の魅力は、その行動が他人にとって無害であり、正義の行動であり、真正面からの行動である時に輝くものだ。誤った道をがむしゃらに走った場合、結果はまったく異なってくる。
実在の人物で考えてみると、日本の安倍晋三首相こそ「頑固一徹」な人物と呼ばれるにふさわしい。メディアが与えた評価は「ひたすら右寄り」だ。
日本政界の今週最大の焦点は第2次安倍内閣の発足だ。主要閣僚が留任し、残り12人はいずれも新任で、多くが「右寄り」だ。新任の江渡聡徳防衛大臣、高市早苗総務大臣、山谷えり子拉致問題担当相らは、靖国神社に参拝すると公言しているだけでなく、慰安婦問題や教科書問題といった敏感な問題でも安倍首相と「意気投合」する閣僚たちだ。
安倍首相は小泉純一郎元首相に振るまい方を習ったのだという人がいる。この意見は確かに妥当だといえる。小泉元首相も「頑固一徹」な人物であることで有名で、2001年に首相に就任すると、すぐさま歴史問題が日本とアジアの被害国との間の重要な争点になった。
日本の首相の靖国神社参拝、政治家が相次いで発する過去の侵略の歴史を否定する言説、慰安婦問題での暴言、歴史教科書の問題をめぐる無責任な態度など、ここ十数年間は、歴史問題が往々にして東アジアに政治的緊張をもたらす重要な要因になっている。
日本の頑固一徹さの害はこんなところに現れる。この病にとりつかれた人は、相手の身になって考えることができない。人の気持ちを想像することができない。国際ルールに従うことができない。広い視野で問題を全面的に分析することができない。一般人であればまだよい。影響は限定的だからだ。だが日本政界での最重症患者は、なぜかいつも最高権力者の首相なのだ。
安倍首相の恐ろしいところは、国際社会で軍国主義による侵略戦争と位置づけられた行為を罪と災難の「原罪論」で語り、第2次世界大戦前と大戦中の「日本皇軍」と「戦争に狂乱した人」の行為を「国に殉じた行為」として「愛国論」に実質的にすり替えているところだ。
第2次安倍政権が発足してからこれまでの間に、日本の歴史修正主義はピークに達した。安倍首相と日本の右翼たちは、日本人の精神と意志を第2次世界大戦の敗戦という暗がりから脱却させ、日本を再び振興させ、「日本を取り戻す」という夢を実現しようとしている。
この夢のため、侵略の歴史を嘘で塗り固め、「積極的平和主義」を口実に軍備を拡張し戦争に備え、アジアの隣国の感情を繰り返し傷つけ、第2次大戦後の国際秩序に繰り返し挑戦することは、実際には日本にとって有益なことではない。それどころか、日本を新たな狂騒へと「頑固一徹」に誘導することになってしまう。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年9月6日