海外のオンラインショップからの購入や、海外代理購入は、価格的なメリットがあることから人気を集めている。しかし、偽物の判別が難しいなど、監督管理上の問題も多く抱えている。中国税関総署はこのほど、「クロスボーダー貿易電子商取引出入国貨物・物品の関連監督管理事項に関する公告」の施行を開始した。これは、電子商取引(EC)業者や消費者にどのような影響をもたらすのだろうか?人民日報海外版が伝えた。
公告によると、以下の3つの条件を満たす場合、監督管理の対象範囲となる。
(1)主体:国内でインターネットを通じてクロスボーダー取引を行う消費者、クロスボーダーEC業務を展開する国内企業、取引サービスを提供するクロスボーダーEC第三者プラットフォーム。
(2)手段:税関とネットワークがつながっているECプラットフォームを通じて行われる取引。
(3)性質:クロスボーダー取引。
上述の条件を満たさない出入国貨物・物品については、税関は従来の方式(一般貿易、郵便、速達など)にしたがって通関手続きを行う。
つまり税関は、天猫やタオバオ、京東などの大型ECサイトを通じて、海外代理購入や輸入商品の販売を行うクロスボーダー貿易業者を監督管理の範囲内に組み込んだことになる。これは、ネットで代理購入ビジネスを行う小規模の業者にとっては打撃となる。
▽消費者の権益を保護
近年、中国ではクロスボーダー貿易を行うネットショップが急激に発展しているが、一方で問題も生じている。例えば、これまでの規定ならば、ネットショップが郵便や速達で国外に発送した商品は、決済手続きができず、輸出税還付を受けられなかった。税関とネットワークがつながっているECプラットフォームを通じてクロスボーダー貿易を行うことで、決済・税還付などの問題が解決され、消費者の権益が守られる。