ネット通販大手は、外食、タクシー配車に続き、今度は「ブライダル経済」に目をつけ、市場争奪戦を展開している。新たな戦いの火蓋が切って落とされた。天津日報が伝えた。
◆ブライダル市場にネット通販大手が乱入
アリババ・グループは、自社の生活事業部がブライダル撮影市場に進出することを発表した。同社はまたブライダル総合サイト「婚伴」を開設し、全国のブライダル撮影機構・店舗を招き、個性的なプランを提供する。アリババのブライダル撮影事業は、すでに北京や杭州などの5都市でサービスを提供しており、モーリシャス、バリ島などの数十の国と地域での撮影ツアーを提供している。アリババは、「婚伴は消費者に個性化された、高品質で透明度の高いブライダル撮影サービスを提供する。同サイトは開設当初より、『隠れた消費をなくし、マンツーマンでサービスを提供し、満足できなければ撮影をし直し、ネガをすべて提供する』と公言した。他にも分割払い、先行賠付(問題が発生した場合、販売側がまず購入者に返金し、それから状況調査を行う)というサービスをブライダル撮影で初めて提供する」と表明した。
アリババだけではなく、テンセントが出資する情報サイト「大衆点評網」もブライダル事業部を設立し、ブライダル撮影、ブライダル衣装、結婚式、披露宴などの全産業チェーンのサービスを提供しており、提携先は数千店舗に達する。もう一つのネット通販大手である、検索で知られる百度も、傘下サイト「糯米網」を通じ急速に事業を展開している。
上述した3大手の他にも、ブライダル業界の20超の有名サイト、無名の小型サイトも「ブライダル市場」のケーキを争奪しようとしている。
◆ブライダル業界、透明化に注目
90年代生まれの若者が結婚適齢期に入り、中国ブライダル市場は高度成長期を迎えた。統計データによると、中国では今年約800万人が結婚をする見通しで、ブライダル市場の規模は8000億元(約13兆2840億円)に達する。しかし現在まで、オンラインのブライダル業界への浸透率は10%にしか達しておらず、市場の90%のシェアは伝統的なブライダル業者に占められている。中国電子商務研究センター長の曹磊氏は、「これはブライダルサービスを提供するサイトにとって、数千億元の開拓を待つ市場が存在することを意味する。これまで外食の共同購入サイトが好評を博し、ブライダル共同購入サイトの人気に火がつかなかったのは、結婚を重視する人が多く、品質とサービスに対する需要が低価格への需要を大きく上回っていたからだ。彼らは実店舗に行き比較を繰り返すことで、人生において最も重要な儀式をどの業者に依頼するかを決める必要があった」と指摘した。
ブライダル業界の関連基準の不備も、オンライン事業の開拓に影響していた。オフラインでも、次のような経験をしたことのある新郎新婦が多い。ブライダル撮影を依頼する写真館を決めた後、実際に撮影に使用した衣装の数、ネガの数、カメラマンのランクなどにより、その場で追加料金を「婉曲的に」強制される。天津市の有名ウェディングプランナーの張韜氏は、「披露宴の他に、結婚式の企画、ブライダル撮影、新婚旅行などの関連サービスには、具体的な基準が設けられていない。ブライダル業界は、業界発展の規格の制定を急がなければならない。業界内では、アリババなどのネット通販大手の参入が、業界内のサービスの透明化と基準化を促すことが期待されている。彼らが提供している、消費者の相互監督が可能な商品は、市場の規範化を促す一定の価値を持っている」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年8月13日