2014年8月29日  
 

中国の夢健康知恵袋 企画集 日本からニイハオ!

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<北京のお気に入り> 他にはない光景が見られる胡同の散歩 (3)

人民網日本語版 2014年08月27日09:18

北京に来てまだ5カ月。発音も声調もまったくわからないまま、初級クラスで一から中国語を学びはじめた向井さんは、この時期新たな生活に向けて踏み出そうとしていた。

――実は、寮を出て1人暮らしをすることにしたんです。つい数日前に引越しをしました。寮は門限も早いですし、執筆活動に集中したかったこともあって。通常のマンションに引越しをするという選択肢もあったんですが、やはり今後消えていくだろう胡同の風景や生活を目に焼き付けておきたくて、大学からも程近い胡同の中の部屋を借りました。

でも、ちょっと早かったかなと後悔してます。あまりにも理不尽なことが多くて。洗濯機が壊れていたので、大家さんに換えてもらうよう掛け合って、手配をしてもらったんですけど、業者から連絡が来ないんです。もう3日目になります。昨日もう一度確認をしたら今日の朝来ると言ってたのですが、まだ連絡がなくてー。

と、どこか落ち着かなさそうな向井さん。午後1時をゆうに過ぎた頃、電話が鳴った。業者の人からだ。そこで、新しい部屋に移動して、洗濯機を待ちながら取材することになった。

大阪芸術大学の同級生だった山下敦弘監督とコンビを組み、数多くの映画の脚本を手掛け、活躍してきた向井さんがなぜ今北京にいるのか。実は、山下監督からもいまだに、「お前何のために中国に行ったんだよ」と不思議がられているのだという。

――文化庁の海外研修制度のことはすでに十数年前から知ってました。いつかこの制度を利用して海外に出て見たいと思いつつも、コンスタントに仕事をして、生活も安定していく中、なかなかそのタイミングが見つかりませんでした。

ただ脚本家としての仕事は順調でしたが、近年日本の映画界はベストセラー小説や人気漫画の映画化など観客の数が読める手堅い企画が増え、オリジナル脚本自体が以前と比べて減ってしまいました。そういう中で、僕自身も原作ものの脚本を手掛けることが多くなり、まるで自分が機械のネジになったような気がしてきて、もっとオリジナル性の高いものを書きたいという思いが強くなってきたんです。

そんな頃、私生活でも変化があって、海外に出るなら今しかないと思い、海外研修制度に申請することにしました。


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