代理出産の施行を認める場合に最もデリケートな問題となるのが、親子関係をどのように規定するかということだ。自民党プロジェクトチームは代理出産で生まれた子は民法における今後の課題とした。一方、日本学術会議は子を生んだ代理母を母親と定める案を提出している。しかし、不妊治療を受ける人を支援するNPO法人Fineの松本亜樹子理事長はこれについて、「どうしても子供が欲しいからと代理出産を選択したのに、産んだ女性が子の母親となり、自分たちは養母にしかなれないというのは、受け入れがたいのではないか」と疑問を投げかける。
日本国内では卵子提供の実施例はほとんどないが、米国で卵子提供を受けるケースが非常に多い。ある医師は、「数十万円で日本人留学生から卵子を買い取るビジネスが盛んになっている」と打ち明ける。自民党プロジェクトチームのチーム長で参院議員の古川俊冶氏は、「日本国内でも卵子提供を可能にさせたい」と、卵子提供容認の法案成立を目指していることを明らかにした。
また日本国内では非配偶者間人工授精(AID)で生まれてきた子が計約1万5000人にいる。それにともない子が遺伝学上の父親を知る権利があるかどうかという問題が表面化してきた。AIDで生まれてきた横浜市の医師、加藤英明さんは当時治療を行った慶応大病院に精子提供者の情報を求めたが拒否され、議論を生んだ。(編集MZ)
「人民網日本語版」2014年8月13日