2011年までオーストラリアに米軍は駐留していなかった。2011年に米国は「リバランス」戦略を発表し、ダーウィンへの軍駐留強化を計画したが、オーストラリアはダーウィンを恒久的な軍事基地とすることは認めていなかった。今回米豪が署名した協定は、ダーウィンが恒久的な軍事基地に変ることを意味する。環球時報が伝えた。
「2500人というのは数個連隊であり、余り大きな規模とは言えない。だが米国がダーウィン基地の運営に身を入れる真の意義は、南中国海有事の際に、米軍の艦艇、潜水艦、戦闘機をオーストラリアの主要基地に大量に配備できることにある。例えば北部のダーウィン基地、オーストラリアの潜水艦基地である西部のパース基地、さらにシドニーやアデレードなどの基地だ。これこそ真に警戒する必要がある点だ」。米軍の戦略を熟知する中国の軍事専門家は12日、環球時報の取材にこう語った。
中国海軍軍事学術研究所の李傑氏は「オーストラリアの軍事基地の価値は1つには、日本、韓国、グアムの現有の基地と連動して、南中国海地域の兵力をさらに強化し、動員を円滑化し、中国包囲網を形成できることにある。もう1つには、ダーウィンは地理的に南中国海、インドネシア、マラッカ海峡に近いため、将来情勢が変化した際にインドネシア沖、フィリピン沖、特にマラッカ海峡という重要な航路を遮断し、中国に圧力を与えるのに有利な点にある」との認識を示した。
■ダーウィン基地は第2のグアムになるのか
ダーウィン基地は第2のグアムになるのだろうか?米豪が12日署名した25年間の軍事力配備協定は、もともと静かではなかったアジア太平洋に重い問題を突きつけた。米豪両国は会議で平和、協力といった外交用語を多く口にしたが、外国で最も多く議論されているのは「米軍はオーストラリアでの軍事的プレゼンスを強化する。ダーウィン基地に駐留する米軍は2500人と2倍余りに増加する」という点だ。ロシアのニュース専門局ロシア・トゥデイは「中国を封じ込めるため、米国はフィリピンとの協定に続き、オーストラリアとも軍事協定に署名した」と報じた。
日本の産経新聞は、米国がオーストラリアとの軍事協力を強化したことについて、力による威嚇で中国を抑止する行動であることは明らかだと報じた。北半球のネピドーから南半球のシドニーまで、ケリー米国務長官の行く先々に中国封じ込めの話題がついて回った。米国務省は11日、中国メディアの論説に対して、中国こそが「南中国海を不安定化させている」側だと反論した。ヘーゲル米国防長官は「米国はアジア太平洋『リバランス』戦略に揺るがず尽力する。米国は『太平洋の大国』であり『どこにも行かない』」と意地を張るように言った。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年8月13日