天津航空測量科技センターが担当するプロジェクト「北斗沿海差動測位システム」がこのほど、交通運輸部(省)北海航海保障センターの組織した専門家グループによる検収に合格した。新華社が伝えた。
検収を行った専門家は、「同システムの開発成功は、既存の海上無線標識局である、差動型GPS(DGPS)局の強化・拡張につながる。中国が知的財産権を持つ国産設備と北斗差動データソリューションソフトにより、北斗とGPSの差動情報の融合が実現した」との見方を示した。
交通運輸部北海航海保障センターの王成シニアエンジニアによると、同システムは中国の衛星測位システム「北斗」をベースに、差動測位(注:複数の地点で同時に測位し、信号の誤差を取り除く方法)を行い、海上無線標識局を利用して差動補正信号を送信し、航海中のユーザーに高精度の測位サービスを提供するシステム。
同システムは天津の上古林で完成し、これまでに130日あまりの試験運用を行った。効果は良好で、測位精度は1メートル以内に達している。
中国衛星測位応用管理センターの楊元喜研究員(中国科学院院士)は、「専門家グループは、同システムが機能に優れ、運行が安定しており、試験データが信頼でき、主な技術指標が設計要求を満たしているとの見方を示し、一致して検収合格に同意した」としたほか、「同システムの連続性、可用性、安定性、測位精度はいずれもDGPSシステムを上回る。同システムの次なるモデル建設および、北斗国際海事標準化業務の推進に向け、基礎を固めた」と指摘した。
同システムの完成後、ユーザーは北斗・GPSのデュアルモード受信機を設置するだけで▽北斗▽GPS▽北斗・GPS融合――という3モードの高精度測位サービスを無償で利用でき、船舶の航行、海洋開発、海上捜索、海洋測量・製図、海事監督管理など、高精度の測位が必要な各分野で幅広い応用が期待される。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年5月8日