世界銀行が主要通貨購買力平価(PPP)に基づいて試算したところによると、中国は年内にも米国を追い抜き、世界最大の経済体になる可能性があるという。このニュースが伝わると、海外メディアは騒然となった。人民網が伝えた。
同報告の結論に至る考え方はこうだ。真の生活コストを推計するものとして、購買力平価は経済体の規模を比較する最良の方法とされている。基本的な原理は2つの国の商品価格を比べることだ。同行が2011年にうち出した「国際比較プログラム(ICP)」報告書が提供したデータによると、11年の人民元の米ドルに対する購買力平価は3.506元(約57円)が1ドル(約102円)に相当するというものだった。こうした統計方法を踏まえると、05年の中国の経済規模は米国の43%に過ぎなかったが、11年は86.9%に達した。さらに11年から14年の中国経済の成長率は24%に達した一方、米国は7.6%にとどまり、中国の国内総生産(GDP)は年内にも米国を超えそうな勢いだ。
中国経済の見通しについて、これまでは「撲殺」と「ほめ殺し」という2つの見方があった。撲殺派は「中国崩壊論」を吹聴し、ほめ殺し派は耳に心地よいが、撲殺と同じように大きな危害を与える。
改革開放から30数年が経ち、中国経済が達成した2けた近い高度成長は世界経済発展史の軌跡を生み出した。ここ数年は成長率が鈍化しているが、世界的にはトップレベルを維持している。経済が中くらいの高度成長というギアチェンジ期に入ったのにともない、中国は今後、質を高め、効果を高め、バージョンアップを実現する「第2段階」に入ることになる。中国経済は発展のアンバランスや不調和といった課題に直面しているが、中国「崩壊論」を声高に唱えても中国政府と中国国民を驚かすことはできない。