中国産ウェアラブルデバイス用プラットフォームを搭載したスマートウォッチが、27日に北京で発表された。腕時計をかざすだけで地下鉄や路線バスに乗車でき、高齢者の心拍数をチェックし、頻繁に充電する必要もない。この夢のような構想は、すでに人々の日常生活に足を踏み入れている。北京日報が伝えた。
◆6月にも腕時計で路線バス乗車が可能に
腕を自動改札口にかざすだけで、地下鉄の構内に入ることができるようになれば、路線バスや地下鉄に乗車する前に、慌ただしくバッグの中から交通ICカードを探す必要がなくなる。このサービスは、今年6月より北京で実現される見通しだ。中国産ウェアラブルデバイス用プラットフォームを搭載したスマートウォッチ「Tick」が、27日に北京で登場した。同製品の研究者、北京元心科技公司の史文勇董事長(会長)は、「当社は北京市交通ICカードのサプライヤーである北京握奇データシステム有限公司と提携し、小型版交通カードをTickに内蔵し、腕時計による地下鉄・路線バス乗車を実現した」と説明した。
中国産プラットフォームを搭載したスマートウォッチのシステムは拡張性が高く、幅広い応用範囲を持つ。同製品は今後さらにNFC(近距離無線通信技術)による決済、スマートセンサなどの機能を搭載し、POS端末の利用、会社のドアロックの解除を実現し、さらには高齢者の心拍数をリアルタイムでチェックする機能の搭載も予定している。
北京市中関村の電子機器売り場で、ある電子機器マニアが輸入されたばかりのスマートウォッチを試していた。ところが、腕を上げてから、もう片方の手でキーを解除しなければ、スマートウォッチのディスプレイが動き出さない。「この腕時計はスマートというべきか、頭が悪いというべきか」――。利用者がスマートな体験を楽しめないため、昨年より国内外で流行しているスマートウォッチは、無用の長物になっている。Tickなら、この電子機器マニアの懸念を解消できる。スマートセンサ技術により、同製品は「腕を上げる」という動作を認識できるため、利用者が腕を上げた瞬間に、腕時計のディスプレイが自動的に動き出すのだ。
このほか、携帯電話が見つからない、携帯電話を紛失したという問題も、携帯電話を手放せない現代人にとって悩みの種だ。Tickの「人とデバイスの分離」という機能を使用すれば、携帯電話が利用者から10メートル離れると、スマートウォッチが自動的に報告し、携帯電話を探す手間が省ける。