3Dプリンタで自動車作成 道路走行許可はまだ先か
このところ、3Dプリンタがらみのニュースが世間を騒がせている。ジャッキー・チェン主演の2013年の正月映画「十二生肖」でも、3Dプリンタを使って円明園の獣首像を出力するシーンが出てきた。5月9日には英国の記者2人が3Dプリンタで作成した銃を携帯したまま厳しいセキュリティチェックを潜り抜け、安全さが売りの列車・ユーロスターに持ち込む事に成功した。科技日報が伝えた。
そして今、3Dプリンタブームは自動車業界にまで波及した。3Dプリンタで作成した「Urbee2」という名前の三輪自動車がこのほど発表された。関連報道によると、玩具的な要素が強かった1代目のUrbee1と比べ、Urbee2は本当に道路を走行することができる。Urbee2は50あまりの部品からなり、設計から模型制作までにかかった時間はわずか数日間だという。製作者は、「Urbee2は3Dプリンタで作成しているが、安全性、信頼性、耐衝撃性は犠牲にしていない。これにより、小型のカスタマイズカーが実現可能となった。2015年には量産化を実現する予定だ」と語る。
このニュースを聞いて脳裏に浮かんだのは、中国沿海の某省で偽物ブランドのコピー自動車が大量に出現した事件だ。同省ではコピー自動車があまりにも大量に生産・販売されたため、自動車産業の「名声」が高まり、一度は支柱産業にまで発展したほどだ。少なくとも、カスタマイズ化・大規模生産の面では、3Dプリントカーよりも一足先に成果を手にしたと言えよう。
自動車産業は100年余りの歴史を持つ。4輪の蒸気自動車から始まった自動車産業は今や、一元化された研究開発、グローバルソーシング、大規模生産、地域販売を実現し、人力・資金・技術集約型産業に発展した。自動車の道路走行が許可されるには、各政府部門および検査機関の厳しい審査に合格しなければならず、安全条件を満たさなければ生産できない。自動車は個人あるいは家庭の私有財産だが、道路に出た時点で公共安全に脅威をもたらす存在となり、不良製品が出回れば恐ろしい「兵器」にもなりうる。ゆえに、自動車はある意味で公共物としての属性を持ち、安全・環境面の各種規定に合致しなければならない。これが、某省で出現したコピー自動車が地方からの保護を受けられず、真の意味で市場に進出できなかった最大の理由だ。