中国「調和のとれた都市」ランキング 北京など下位に沈む
中国社会科学院は19日、「中国都市競争力報告」を発表した。「調和のとれた都市」ランキングでは、対象となった287都市のうち、香港がトップ、澳門(アモイ)が2位につけたのに対し、北京や上海、広州(広東省)など、中国一線都市はトップ10にも入らなかった。中でも、北京は「住みやすい都市」ランキングで74位、生態都市ランキングでは100位以下に沈んでいる。新京報が報じた。
同報告は同院の財経戦略研究院や社会科学文献出版社、中国社会科学院都市・競争力研究センターが共同でまとめた。
「調和のとれた都市」天津133位、重慶210位に沈む
「調和のとれた都市」ランキングで、北京が14位、広州が19位、上海が21位だったことについて、同課題グループの楊傑氏は、「同ランク付けをするに当たり、戸籍制度や行政の透明度、社会の安全などの指標が考慮された。北京や上海、広州がトップ10から漏れた主な原因は、同3都市の戸籍制度が中小都市よりも厳格であること。中小都市は現在、戸籍制度をほぼ自由な状態にしている」と指摘。「一人ひとりに平等にチャンスを与えるという観点から見ると、戸籍制度が厳格であるほど、平等性に欠けるということ。不平等であるという現状が『調和』に与える影響は大きい」とした。
そのほか、楊氏によると社会の犯罪発生率が経済発展の水準と共に増加しているという要素もあるという。同3都市は犯罪発生率が比較的高く、それも「調和」に大きな影響を与えているのだ。
注目に値するのは、ここ数年急速な経済発展を見せる直轄市の天津市や重慶市がそれぞれ133位と210位に沈んでいることだ。同報告は、「経済が発展しているからといって、必ずしも調和のとれた社会が実現しているというわけではないということ」と指摘している。
大気汚染が深刻な北京「住みやすさ」74位
同報告では、「調和のとれた都市」ランキングと同じく、「住みやすい都市」ランキングでも、同3都市はトップ10から漏れている。同3都市の順位は広州が18位、上海が23位、北京が74位だった。同ランク付けに際しては、市民一人当たりの道路の面積や不動産価格と収入の比、気温の快適度、大気の質などの指標が考慮されている。