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H5N1型、A型インフルウイルスと結合でヒトからヒトへ感染か

【中日対訳】

 中国農業科学院ハルビン獣医研究所の陳化蘭氏率いる研究チームの最新研究によると、H5N1型鳥インフルエンザウイルスは、A型インフルエンザウイルスと遺伝子再集合を起こすことで、哺乳動物間の空気感染能力を持つようになり、パンデミック(世界流行)を引き起こす可能性があることが分かった。同研究により、H5N1型ウイルスが世界の公共衛生にもたらす現実的な脅威が新たな角度から明らかになった。同研究論文は3日、サイエンス誌オンライン版で発表されたほか、ネイチャー誌でも報じられた。科技日報が伝えた。

 陳化蘭氏は「2種類のインフルエンザウイルスが同じ宿主に感染した際、分節RNAの遺伝子再集合が発生し、理論上は256種類の異なるウイルスが形成される可能性がある。これまでも鳥インフルエンザウイルスは、中間宿主の体内で哺乳動物のインフルエンザウイルスと遺伝子再集合を起こし、幾度も世界的な大流行を招いてきた。2009年に大流行したA型H1N1ウイルスも、鳥と豚とヒトのインフルエンザウイルスの遺伝子再集合によるものだ」と語る。

 H5N1型は高病原性鳥インフルエンザウイルスで、すでに60以上の国と地域に伝播しており、家禽・鳥類の間で爆発的な流行を招いている。600人あまりが感染し、致死率は60%に達している。

 陳氏の研究チームによると、自然界のカモや野鳥の体内から分離した一部のH5N1ウイルスは、すでに哺乳類と接触・感染しているが、今のところ空気感染能力は備えていないという。しかし、2009年のA型H1N1ウイルスは高い感染力を持ち、すでに全世界に伝播しているため、H5N1ウイルスと遺伝子再集合する可能性が高い。H5N1ウイルスが遺伝子再集合のプロセスの中でヒトからヒトへの感染能力を獲得するかどうかが懸念されている。

 この問題を研究するべく、陳氏のチームは逆遺伝子技術を駆使し、H5N1ウイルスのHA遺伝子を保留するという前提の下、1個から7個までの異なった2009年A型H1N1ウイルス遺伝子を含む127種のウイルスを作成した。マウスによる実験でこれら127種のウイルスの哺乳類への感染力を調べたところ、3分の2以上が高い致死率を示した。また、ブタ・マウスモデルで21種のウイルスの感染力を調べたところ、8種のウイルスが空気感染能力を持ち、うち4種は高い空気感染能力を示した。(編集SN)

 「人民網日本語版」2013年5月8日

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