嫦娥3号、世界最先端の技術を集約 (2)
初期段階の節約は、重要な時期に備えるためだ。着陸機が月接近制動を実施するたび、約1トンの燃料が消耗される。最後のわずか十数分の着陸段階において、約1トン半の燃料が消耗される(全体の60%)。
◆着陸後も任務継続
安全に月面着陸し、巡視探査機を切り離しても、着陸機はまだ「勇退」しない。着陸機は地形撮影カメラ、天体望遠鏡、極紫外線カメラを使用し、その場で科学調査を実施する。着陸機は中国が月に建てる宇宙観測ステーションになり、科学研究を力強く支え続ける。
着陸機はこの期間、月の厳しい環境の試練を乗り越えなければならない。月の昼は地球上の約10日間に相当し、この間に着陸機の翼状のソーラーパネルは太陽の動きに従い回転し、休まずエネルギーを蓄積する。月の夜は地球上の約17日間に相当し、気温は氷点下150度以下まで下がる。この際に着陸機は電源をオフにしスリープ状態に入り、放射性同位体熱電発電機により全体の温度を維持し、新しい朝が訪れるまで待機する。太陽の光が強くなるに伴い、電気信号を出し目覚めることになる。
◆先進的な設備を集約
中国で現在、開発が最も困難な宇宙船である同着陸機には、新技術・製品が80%以上搭載されている。
着陸機は先進的なGNCシステム(誘導制御システム)、推進システム、熱コントロールシステム、着陸緩衝システム、中国初の可変コンダクタンスヒートパイプと、世界先進水準のCCPL回路を搭載しており、昼夜の気温差が約300度に達する月でも正常に作業できる。また大範囲・高精度非協力距離・速度測定技術、推力制御エンジンなどは、幅広い応用性を持つ。
この斬新な着陸機には、航空事業関係者の汗水が凝縮されている。統計データによると、同着陸機の開発期間は6年にものぼり、全体・サブシステム・単一ユニット・部品・モジュールの、設計・シミュレーション・開発・試験に参加した協力部門は200社以上に、研究者は4000人以上に達する。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年12月12日