シンガポールで行われていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は25日、4日間の会期を終えて閉会したが、合意にこぎ着けることはできなかった。閉会後に発表された共同声明によると、今回の会合は最終的な協定に向け躍進を遂げた。関税撤廃などの問題は二国間交渉で進展が得られ、加盟各国は今後、早期の合意に向けて努力していくという。ある分析によると、米日両国が農産品と自動車の関税をめぐって譲歩しなかったため、TPP交渉は長期化を免れなくなったという。人民日報が伝えた。
日本紙「日本経済新聞」によると、米日両国が関税交渉で責任ある態度を取らなかったことが、TPPの多国間交渉にマイナス影響を与えた。米国は共同声明に「加盟各国が大筋で一致した」という内容を加えたかったが、今会合で得られた「一致」は米国の期待とは大きくかけ離れたものだった。
シンガポール国立大学東アジア研究所の鄭永年所長によると、これまでにTPP交渉で達成された共通認識はわずかで、それも一部の国では法律・法規の面から執行が困難だというものだ。各国の経済的利益は異なり、米日間には農産物の関税をめぐって長らく確執がある。米国はTPP交渉をよりどころとして新しい世界貿易のルールを構築したい考えだが、米国はTPPを理想化し過ぎたり、自国の能力を過大評価してはならない。日本政府は国内の政治的圧力に迫られて、軽々しく妥協することはできない。TPP交渉を性急に進めようとすることは、どの方面にとってもメリットがないことだという。
同大リー・クアン・ユー公共政策大学院アジア・グローバル化研究所の黄靖所長は次のように話す。TPPはゲームのルールを変更する役割を演じ、TPP交渉が終われば、世界の貿易ルールに非常に大きな影響を与えることになる。TPP交渉は各国内部の経済構造調整には触れていない。シンガポールのような小規模経済体に比べ、米国、日本、オーストラリアといった大規模な経済体は交渉の中でより多くの困難に直面することになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年2月26日