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自国通貨安は天使か悪魔か

 最近、世界の通貨は為替相場の強弱に基づき(1)米ドルや人民元のように力強い通貨(2)ユーロのように比較的安定した通貨(3)日本円など先進国やロシア、ブラジル、インド、インドネシアなど新興国の下落し続ける通貨--の3つに大きく分けられる。(文:張明)

 最後の通貨下落国はさらに(1)日本やロシアなど、各種操作によって自ら通貨を下落させている国(2)ブラジルやインドのように各種操作によって下落抑制に努力している国--の2つに分けられる。これは主に各国経済の抱える問題と圧力によって決まる。

 日本とロシアは、輸出成長率を高めることで国民経済の成長を牽引することが政府の主要目標だ。外需低迷が続く中、輸出成長率を高めるには、通貨安を維持することで輸出製品の国際競争力を高めなければならない。「アベノミクス」の3本の矢の第1の矢は通貨発行規模の拡大によって円安を実現し、経済成長を促すことだ。ロシアは過去に国際原油市場の低迷により経済成長が鈍化し、財政赤字が悪化したために、通貨安によって輸出成長を促す考えを抱くようになった。

 ブラジルやインドは現在、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を縮小するとの観測による打撃にいかに対処するかという試練を共有している。今年6月に米国が量的緩和縮小のタイムテーブルを発表して以来、こうした新興国は大規模な資本流出に直面。資本流出は株価暴落、通貨下落、対外債務悪化という悪循環ももたらした。適切に対処しなければ、為替危機が発生する可能性が高い。

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