中国人留学生が淀川に飛び込み男児救出 感動呼ぶ
日本各地では16日、台風18号の影響で豪雨による災害や事故のニュースが相次いで報じられた。京都や大阪などの西日本では、河川が増水して急流となった。そんな中、1人の中国人留学生がこの日、増水した淀川に飛び込み、川に落ちた男児を救出した。このニュースはすぐに日本中で報じられ、感動を呼んだ。環球時報が伝えた。
時事通信社など各メディアの報道によると、同日午後5時ごろ、大阪市北区豊崎の東海道新幹線の高架橋付近で、9歳の男の子が2人の中学生と台風で増水した淀川の様子を撮影しようとしていたところ、川に落ちたカメラのSDカードを拾おうとして足を滑らせ転落、激流の中を350メートル以上流された。ちょうどそこを通りがかった中国人留学生の厳俊さんは、すぐに川に飛び込み、15メートルほど泳いで男の子にたどり着き、無事救出した。大阪府警大淀署の警察は「状況は切迫していた。あの時助けなければ、男の子は命を落としていた」と話している。厳俊さんと男の子は病院に運ばれたが、かすり傷程度で済んだという。厳俊さんは当時の状況について「助けなければいけないと自然に思った」と語っている。厳俊さんは上海出身の26歳。来年春から大阪市立大学の大学院で経済学を学ぶ予定だという。
この救出劇は同日、感動の一幕として主流メディアで大々的に報じられ、中国人に対する日本人の固定観念をやや変化させた。テレビ朝日は17日夕方、厳俊さんのインタビューを15分にわたって放送。厳俊さんは事件のあった川で取材を受け、当時の様子を詳しく説明した。
日本のSNSサイトでも、「とても勇敢な行為」「善良でやさしい青年」「ありがとう中国」など、称賛のコメントが寄せられた。また、「中国人であれ、日本人であれ、いい人は沢山いる」、「両国関係がどうあれ、こういう中国人はすばらしい人」等のコメントもあった。
大阪府警には厳俊さんを人命救助で表彰すべきだとする声が相次ぎ、大阪府警本部長と府警大淀署は感謝状の贈呈を決定したという。
現在、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題や歴史問題などで中日関係は緊迫し続けている。また安倍政権は歴史を否定し、靖国神社の参拝などで中日の対立を激化させている。多くの日本メディアも中国のマイナス面ばかりを報じ、日本における中国や中国人のイメージを悪化させ続けている。厳俊さんの勇気ある行動は、こうした現状を変えるのに一役買うのではないだろうか。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年9月18日