海外不動産購入に落とし穴 日本の「米国買い」の教訓を参考に
「海外で不動産購入」は今や流行語になった。海外のデベロッパーと仲介業者が消費者に理念を植え付けているだけではなく、中国社会科学院がこのほど発表した2013年「投資白書」の中でも、「中国の不動産市場に投資するよりも、米国で不動産を購入した方が良い」と明記された。これが事実ならば、海外の不動産購入は絶対に得をすると言えるのだろうか。答えは「ノー」だ。北京晨報が伝えた。
海外の不動産購入は損か得か、この問題についてはとっくの昔に回答が出されている。円相場が3倍高になった1980年代、日本の「米国買い」が悲惨な結末を迎えた。日本が1989年に、34億ドルで米国文化の象徴の一つであるコロンビア映画を買収し、より重要な国家の象徴であるロックフェラー・センターを買収した際に、海外さらには米国人までもが、米国の資本主義の全盛期に建てられた偉大な建造物が、日本人の所有物になったと感じた。そればかりではなく、日本は米国資産の買収の記録を塗り替え、ロサンゼルスの繁華街の約半数の不動産を購入した。ハワイの96%以上の外国投資は日本からのもので、しかもホテルや高級住宅などの不動産に集中した。日本企業が1985年から1990年にかけて実施した、500億円以上の大型海外M&Aは21件に達し、そのうち18件の対象は米国企業だった。80年代末、米国の10%の不動産は、日本人の手中に収められた。
その結果、「経済法則」が日本人に教訓を与えた。三菱地所がロックフェラー・センターを買収してから間もなく、経営不振により巨額の赤字を抱え、半額で元の所有主に売却せざるを得なくなった。ソニーによるコロンビア映画の買収もその後、赤字額が日本最大のM&Aであることが証明された。また日本が8億4000万ドルで買収したペブルビーチゴルフリンクスと風光明媚な17マイル・ドライブも最終的に、8億2000万ドルの価格で元の所有主に売り返された。
あの当時、短見的で儲け主義とされた米国側の資産売却者が、実際には正しかったことを認めざるをえない。彼らは保有資産が今後獲得するはずの利益を、事前に現金化したのだ。さらに資産売却時に獲得した大量の資金により、新技術革命の基礎を築き、将来の発展において再びチャンスを真っ先につかんだのだ。そのため米国は、複雑な世界において最大限に成功の道を見つけることのできるリーダーとされている。