海外不動産購入に落とし穴 日本の「米国買い」の教訓を参考に (2)
米国のこの手法は、多くの先進国によって模倣されている。海外移民政策を長年に渡り研究している専門家は、「米国は経済発展にボトルネックが出現するたびに、投資移民政策の緩和により市場を救っている。これは米国、カナダ、ドイツ、英国といった伝統的な移民大国に当てはまり、そしてキプロス、ポルトガル、ギリシャといった欧州諸国も例外ではない。キプロスは2008年に経済危機が発生すると、不動産購入移民政策を緩和し、不動産価格が低迷を乗り切った」と指摘した。SOHO中国の潘石屹董事長は、「リーマン・ショック以降、私はウォールストリートを訪れたが、米国人は当時、中国人に助けてもらうことに期待していると直言していた」と語った。
仏教では「救人一命勝造七級浮屠」(人命を救う功徳は計り知れない)とされているが、盲目的に「施し」をし、得をするかもしれないと期待していたならば、人を助け自分に利益をもたらすことはできない。海外での不動産購入をめぐり、「詐欺まがい」の被害が相次いでいる。例えば米国では「住宅を購入したが維持費が支払えない」、キプロスでは「住宅を購入したが永住権を獲得できない」、カナダでは「土地を購入したが、建設の許可が下りない」といったケースが発生している。
棚からぼた餅を期待できないことは、事実によって証明されている。市況をよく知らないのに、得をしようと思い写真を見ただけで海外の不動産購入を決定してはならない。誰かが落とし穴を掘り、金持ちの中国人が飛び込むのを待っているかもしれないのだから。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年5月22日