銀行カード利用手数料引き下げ　最大37.5％ (2)

　公共のサービスに関わるカード利用（公立の病院、公立の学校）ではカード発行サービス料がゼロになり、銀行カード決済機関のネットワークサービス料もゼロになり、海外決済サービス料金はサービスにかかったコストを踏まえて手数料の基準を定める。

　カード利用手数料を調整することについて、ある業界関係者は、手数料引き下げにより、銀行の中間業務の利益に直接影響を与え、カード発行による収入が30％以上減少する可能性があると指摘する。試算によると、今回の引き下げ調整により、四大国有銀行の銀行カード関連の手数料収入は年間で60億元減少する見込みだ。ある人の分析によると、商業銀行のモデル転換で変えなくてはならないのは、これまでのような預金と貸出の金利の差や利幅の薄い手数料収入に頼るような利益モデルであり、総合的な金融業務と提携販売による新たなモデルへの転換に挑戦することが、銀行が生き残るための道の一つだという。このため銀行カードの手数料引き下げや金利の市場化といった要因は、銀行にモデル転換の加速を迫ることになり、長期的にみれば銀行業の発展にプラスになるといえる。

　中央財経大学中国銀行業研究センターの郭田勇主任（教授）の提案によると、銀行は一方では消費者がカードをたくさん使うように促す必要がある。もう一方ではカードの発行量を増やし、より多くの機能を実現することで、たとえばモバイルバンキングの囲い込みや第三者機関による決済といった手段により、料金引き下げの分を量でカバーできるようになるという。

　同委の通知では、カード発行銀行、海外決済機関、銀行カード決済機関に対し、継続的にサービスの質を改善し、サービスの水準を引き上げ、リスクコントロールを土台としてカード利用端末の設置範囲を拡大し、銀行カードの利用を促進し、カード消費に便宜を提供する必要があるとしている。またカード利用端末の普及応用を促進するために、農村地区での利用拡大や「便民支付サービス」（銀行カードをより便利に利用できるよう銀聯がうち出したサービス）といった新しい業務の分野で手数料の優遇措置を打ち出すことを奨励するとしている。（編集KS）

　「人民網日本語版」2013年2月25日