米国の商業機密調査、約半数が中国を対象 (2)
例えば、商業機密に関わる337条調査の判例には、一つの明らかな欠陥が存在する。これは米国の商業機密法により、人・財産・モノなどの連結点が中国にある案件を採決できる点だ。この点については、米国内部でも議論されている。米連邦巡回区控訴裁判所のある裁判官は、当該判例の裁決書の中で、中国で発生した商業機密の案件に米国の商業機密法を適用することに反対した。こうすることにより、国際貿易において大きな問題が生じる恐れがあるからだ。
冉氏は、「中国企業は、商業機密を盗用したとされ337条調査を受けた場合、米最高裁判所まで上訴するべきであり、関連する産業・機関もこれを支援するべきだ。これはただ一つの案件ではなく、中国企業全体が利益を受ける、法制度面の努力であるからだ」と提案した。
◆従業員の流動による影響
冉氏は、「米国の問題は、常に自らの基準に基づき他国を見ることだ。一方で、中国にも問題がある。工業化の過程において中国は後発者であり、中国企業の多くは国際競争に参与している期間が短く、規則面で多くの欠陥を補う必要がある」と分析した。
商業機密の案件の多くが、従業員の流動(外資系企業の従業員の中国民間企業への流動など)によって生じているが、これは最も典型的な例だ。冉氏は、「多くの企業はこれらの従業員を採用する際に、後にリスクが発生することをまったく意識していない」と述べた。
中国経済はモデルチェンジ中であり、中国は世界で最も重要な市場となっている。 冉氏はこれを背景とし、中国もWTOの規則に合致する自国の337条調査を実施するべきだとし、「中国企業はこれにより、ビジネス競争において自らの合法的な権益を守るための反撃の手段を持ち、公平な競争という市場秩序の制度保証を増やすことが可能だ」と主張した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年2月22日