中国企業 来年は採用枠拡大 人件費上昇が頭痛の種
中国企業家調査システムがこのほど北京で発表した、中国の企業経営者を対象とした2012年度アンケート・追跡調査の報告によると、中国企業は来年に採用枠を拡大するが、拡大幅は例年を下回る見通しだという。ラジオ局「中央人民広播電台」の第一放送「中国之声」のニュース番組「央広新聞」が伝えた。
今回の調査では、来年に採用枠を拡大する予定とした企業経営者が約30%に上り、拡大するとした人は縮小するとした人を12%上回った。なお昨年は拡大が縮小を33%上回っていた。採用枠が相対的に大きくなるとみられるのは、中部・西部地域の企業、大型企業、国有系企業などだ。
雇用構造をみると、来年に出稼ぎ農民労働者の採用枠を拡大する予定の企業が27.8%を占め、拡大するとした企業が縮小するとした企業を3.5%上回った。昨年は拡大が縮小を22.3%上回っていた。来年に大学卒業生の採用枠を拡大する予定の企業は45%に上り、出稼ぎ農民労働者の採用を増やすとした企業の割合を上回った。大学生の採用枠が大きくなるとみられるのは、中部・西部地域の企業、大型企業、国有系企業、民間企業、食品産業や医薬品産業の企業などだ。これらのデータからわかることは、来年は企業の大学生の雇用枠拡大幅が出稼ぎ農民労働者の雇用枠拡大幅を上回るとみられることだ。中国の雇用構造のグレードアップがもたらした需要の変化は注目に値するといえる。