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EUが航空炭素税の徴収停止 中米露印などの反対で (2)

 EUは2004年から06年にかけての世界の航空会社の炭素排出量を参考にして、航空産業に対する排出割当量を確定した。当時は排出量の約85%が無料で取り引きされ、残りの約15%は各航空会社がEU ETSから枠を購入してまかなった。これを基準にすると、ほとんどの国がEUに「通行料」を支払うことになる。

 ▽圧力受けEUが柔軟性発揮

 だがこのようなEUの一方的で強制的な炭素税の徴収は、EUとの間で航空サービス貿易を展開する多くの国の抵抗を呼び起こした。ICAOの加盟国36カ国のうち、米国、中国、ロシア、インドを含む26カ国が徴収にはっきりと反対の態度を示してきた。

 現在、炭素税の徴収に応じているのはEUの航空会社だけだ。そこでEUは域内を飛行する航空路線を運航する航空会社の12年の炭素排出量の見通しを明らかにした後、13年になってから12年の炭素税の「請求書」を発行すると発表せざるを得なくなった。

 欧州委員会の発表から加盟各国で実際に措置が実施されるまでには一定の時間がかかるが、今回のEUは圧力を受けて、これまでみられなかったような柔軟性を発揮している。EUが今回、一進一退の動きをしているのは、ICAOが日程をうち出して世界的な代替プランを推進し、世界の航空産業における炭素排出ルールの制定を推進してくれることを期待するからだ。

 ヘゴデー委員が記者会見で述べたところによると、多くの国がEUの炭素排出権取引システムを好まないとしているが、それならば一体となって世界の航空産業における炭素排出権取引システムの構築を推進するべきだ。各方面が合意に達して世界的な枠組ができるまでは、地域レベルのメカニズムを引き続き保留するという。

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