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EUが航空炭素税の徴収停止 中米露印などの反対で

 欧州連合(EU)の欧州委員会は12日、EU域外の航空会社に課していた炭素税を来年の秋まで徴収しないことを明らかにするとともに、国際民間航空機関(ICAO)の代表大会でこの問題の解決に向けて多国間の合意が形成されることを願うとした。ある分析によると、EUの動きには、破壊的な貿易紛争の発生を避けたいという本音がうかがえる。EUによる強制的な炭素税の徴収に、複数の国が抵抗していたからだという。

 ▽EU域内の定期便には引き続き課税

 欧州委員会のコニー・ヘデゴー委員(気候変動担当)は12日、EUに加盟する27カ国の関連部門に対し、炭素税の徴収を1年間停止するよう求めた。この問題の解決をめぐって多国間の合意が形成される見込みだからという。また欧州委員会は、EU域内の定期便については引き続き炭素税を徴収するとしている。

 ヘゴデー委員によると、徴収の一時停止は「国際交渉に参加する各方面に向けて積極的なムードづくりをするため」であり、多国間の合意が形成されない場合は、EUが「自動的に」徴収を再開し、一時停止の期間を延長することはないという。

 今年1月1日、EUは国際航空産業をEU域内排出量取引制度(EU ETS)に組み込み、EU域内を飛行する航空路線を運航する航空会社に対して炭素排出データの提出を求め、EUが規定する排出割当量を適用して、超過分については航空会社が買い取る必要があるとした。こうした世界の航空会社約2千社がEU ETSに取りこまれることになった。

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