日米がGDP新基準 無形資産を組み込む (3)
新しいシステムには世界の経済社会発展での主流となる理念や実践が反映されている。中国はこの実践の重要な主体であり、新システムを早急に履行する必要がある。米国がR&DをGDPの算出に組み込むかどうかの検討を始めてから、最終的に新しいシステムを採用するまで、おおよそ15年がかかっている。中国の統計の基盤は相対的に弱いが、SNA2008への移行時には、発達した経済体の経験をしっかり踏まえて、新システムをより迅速に応用して中国の未来の経済発展に向けた実践を牽引していく。
▽日本はGNIをより重視
日本の経済学界では、GDPの新たな算定基準よりも国民総所得(GNI)を多用して経済評価システムを改善しようとする傾向がある。今年3月、内閣府に設置された経済財政諮問会議は提案書の中で、政府はGDPを土台とし、これにGNIを加えて、企業の海外での発展を奨励すべきであるとの見方をうち出した。
GNIとは、実質GDPをベースにその国の海外での生産や投資で得た利益を加算するものだ。11年の日本の名目GNIは約6兆ドルで、海外の投資で得た利益はGDPの約5%を占めた。今年6月、日本の安倍晋三首相は経済の成長戦略の中でGNIを明確にうちだし、今後10年間、日本の一人あたり平均GNIは150万円になるとの試算を発表した。
投資による利益についてみると、米国がベンチャー投資で高いリターンを得るのを得意とするのに比べ、日本の海外での金融投資はリターン率の低い債権の購入が中心だ。日本のSMBC日興証券の経済アナリスト肖敏捷氏の分析によると、日本は最近、国際貿易収支でしばしば赤字に見舞われているが、資本項目の収益は貿易赤字をはるかに上回っており、これは主に日本の製造業の海外移転が利益を回収できる時期に入ったことと関係がある。短期的にみれば、国内で進む高齢化が足かせとなり、安倍首相がGDPを引き上げようと思っても実現は難しいが、GNIによる統計方法を採用すれば、日本の経済復興はかなり容易になるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年10月17日