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日米がGDP新基準 無形資産を組み込む (2)

 ▽中国の関連研究作業はまだ初歩の段階

 SNA1993が登場してから9年後の2002年、中国はこれを正式に採用し、現在ではGDPなどの重要経済指標を算出する場合のよりどころとしている。SNA2008に関連した研究作業は、現在まだ初歩的な段階にとどまっている。

 中国で現在行われている固定資産投資の統計には、R&D、コンピューターソフトウエア、データバンク、鉱物資源の調査費用、文学・芸術作品のオリジナルといった無形資産は組み込まれていない。R&Dなどの基礎データが慣例として発表されてはいるが、統計の規範、統計の制度・方法、統計をめぐる基礎作業、統計の技術的手段などはさらに強化する必要がある。また研究開発価格指数、研究開発資産のストックと減価償却などの計算を強化し、発表の頻度を増やすことも必要だ。

 また音楽や芸術作品のオリジナリティーなどの知的財産権をめぐる保護制度が弱く、基礎データの収集がかなり難しいという問題がある。こうした資産の価値をどのように算定するかをめぐり、現実的な課題に直面している。客観的にいって、SNA2008の知財権の算定に関する提案は、中国が知財権保護制度の改善を推進する上でプラスになる。知財権集約型産業の発展を促進すれば、科学技術の進歩をよりどころにして経済発展を牽引することにつながる。

 米国の統計をめぐる実践が中国に与える啓示は次のようなものだ。経済成長においてR&Dがますます重要な役割を担うようになったと強調することが、中国経済の構造転換にとってプラスになる。成長には質の保証が不可欠だ。情報技術(IT)などの研究開発の経済成長に対する貢献は、数の拡大に現れるだけでなく、産業の内部・外部における質の向上にこそ現れる。中国は「科学技術興国」、「持続可能な発展」、「低炭素経済」といった重要な発展戦略を提唱しており、これは間違いなく世界の発展の流れに合致するものであり、関連の統計の内容を迅速に調整して、経済社会発展の実際のニーズに応じることが必要だ、といった啓示だ。

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