微博と淘宝が微信アプリ閉め出し 競争ますます激化 (2)
李氏によると、今はインターネットの競争はBAT(百度、阿里巴巴、騰訊)の3社で争われており、阿里巴巴はさまざまな第三者の協力相手先を支援することが得意だ。だが微信は騰訊のものだ。サービス市場での微信関連のアプリケーションによる購入を一時的に停止するというのは、実際のところは自社の利用者の動きのデータや取引データを騰訊の関連プラットフォームに流用してほしくないと間接的に言っているに等しい。阿里巴巴が自社の利用者の動きのデータを保護するのは、自社の閉じられたシステムを維持するためと解釈することができる。
eコマースのコンサルティング会社・万擎諮詢の魯振旺最高経営責任者(CEO)によると、淘宝からアプリが閉め出されても、微信には大きな影響はない。微信の利用者は淘宝で買い物をするために微信を利用しているのではなく、チャットをするために利用しているからだ。微信にとっては発展の一つの方向性が閉ざされたに過ぎない。微信に決済機能が備われば、オンライン決済やオフラインのO2O市場(オンラインからオフラインへの市場)を開拓できるようになるという。
ネットウォッチャーの洪波氏によると、阿里巴巴が利用者の行為に制限を設けるのは企業の権利だ。企業は自社のプラットフォームで利用者がある種の行為を行わないように制限することができ、これは違法ではない。だが利用者の利益という視点で考えると、中国の企業は自社のビジネス上の利益ばかり考え、利用者の利益をあまり考えない傾向があるという。
今回の動きの中で最も被害を受けたのは、微信関連のアプリを通じてマーケティングしていた人たちで、淘宝に投資していた人も少なくなく、投資は水の泡になる見込みだ。今回の教訓を受けて、起業家は次のことを心に留め置かなくてはならない。他社のプラットフォームで起業する場合、プラットフォーム運営者の利益にしっかり注目する必要があるということだ。そうしなければ、次の大ばくちの犠牲者になりかねないからだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年8月2日