母犬を助けた青年を毎日待ち続ける子犬 北京
映画「ハチ公物語」(1987年)と「HACHI約束の犬」(2009年)は毎日、駅で飼い主の帰宅を待つ犬の物語を描いた。北京の中心部・大望路の交差点にもこのような1頭の「忠犬金虎」がいる。毎日午後3、4時になると、時刻通りに待っている。北京晨報が伝えた。
15日午後、記者は大望路付近に金虎の姿を見かけた。体格はやや大きいが、性格は温順で賢く、人なつっこい子犬に見えた。行き交う人達は自分がじっと見つめられているのに気づくと、金虎の眼差しを気にせざるをえなかった。もっとも金虎はすぐさま振り返り、人混みのなかを探し続けた。えさを与えられても食べず、人々は「この犬は人を待ってるの?家族と離ればなれになった野良犬でもないだろうし。ほんとに賢い。誰にもついてゆかない」と驚いていた。
金虎の飼い主、呂さん(男性)によると、定時で仕事を終えるときは、バスを降りると大抵金虎に会うことができる。周囲をせわしく探す必要もなく、金虎が自ら呂さんを探し当て、足下に駆け寄ってくるという。
呂さんは北京に上京した二十代の青年。7年前、自動車にはねられ重傷を負ったチャウチャウを助けた。そのチャウチャウが身ごもっているとは当時は知らず、数カ月後、意外にも数頭の子犬を産んだ。金虎と縁があったのだろう。呂さんは子犬と母犬を人に譲ったが、金虎だけを残した。
今年初め、共に店を開いた友人が帰郷することになり、毎日店番をする呂さんは相手が欲しくなり、金虎を連れて通勤、夜も一緒に帰宅することにした。最近、店が遠い場所に移ったため、呂さんは通勤のためにバスに乗ることになり、金虎を連れて行くことができなくなった。しかし金虎は正直に留守番することもなく、呂さんの帰宅する道順を覚え、大望路交差点に毎日のようにやってきて、呂さんを待つようになった。
「毎日バスを降りて家に向かい始めると、大抵金虎に会える。こんなに長年、家族のような感じです。以前は帰宅途中に寂しく、日が暮れるなかを歩いていました。帰宅後もひとりぼっちで、夕食を作っても気分が晴れなかった。金虎が毎日迎えてくれるようになってから、本当に気分が変わりました。これは幸せです、きっと。帰宅しなければ、と想うだけで、帰ってくる自分を待っている金虎に会うことができる。金虎が待ち焦がれているように感じます。ありがとう金虎」(編集HT)
「人民網日本語版」2013年12月16日