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台湾の学校に蔓延する「金持ち自慢」

 台湾の親は、我が子がスタートラインで出遅れることのないよう、先を争うように子供を私立のいわゆる「貴族(坊ちゃん嬢ちゃん)学校」に通わせている。中学・高校では、金持ちであることをひけらかすようなムードが蔓延し、隠れた教育上の問題になっている。生徒が授業中に質問する内容は、勉強に関することではなく、クラスで一番の豪邸に住んでいるのは誰かといったことで、生徒は携帯電話や所持品のブランドで競い合い、親は贈答品の豪華さで競い合う。台湾・聯合報の報道を引用して人民網が伝えた。

 ある保護者は、「学校が始まって間もなくすると、娘とクラスメートたちは、『誰が最もたくさんお年玉をもらったか?』の話題で持ち切りになるようだ。娘が『クラスの誰それちゃんが数万新台湾ドルものお年玉をもらったの』と羨ましそうにつぶやくのを聞き、親として、不安と卑屈さが入り混じった複雑な気持ちが湧き起こった」と話した。

 息子を某私立小学校に通わせている親は、息子のクラスメート50人全員に、ナイキのレザー製小銭入れを贈ったという気前の良さだ。この小銭入れ、値段は1千新台湾ドル(約3200円)以上する。あるクラスメートは家に帰り、「うちでは何をお返しする?」と親に尋ねた。台中市農業局の平公務員である親はそれを聞いて驚き、「悪い風潮につながる」と痛烈に批判した。

 また、1学期の授業料が190万新台湾ドル(約603万円)を上回る某私立中学校では、教師が、たまたま耳にした生徒の雑談の内容に仰天したという。「誰の携帯電話やタブレットPCが最高か、という話以外に、『うちは、○○建設が建てたマンションよ』とか、『うちの家は、第X期建設の重要計画区にあるの』など自慢し合っているのです」と教師は話した。

 このほか、生徒たちは、冬休みに誰が多く旅行に行ったか、誰の家の旅行費用が高かったか、などを比較しているという。小学6年生の臻さんは、「空港を出発する時から台湾に戻るまでずっと、『チェックイン(自分の実際に行った場所を記録するモバイルアプリ)』をやり続けました。旅行中はずっと、海外のレストランやホテル、観光スポットなどの写真を撮ってネット上にアップし、フェイスブックでは、『私のような旅行をすることができる人って、他に誰かいる?』と自慢しました」と語った。

 台湾の多くの学校では、3C製品(コンピュータ、通信機器、コンシューマエレクトロニクス)持参で登校することを禁じている。しかし、ほとんどの生徒はフル装備で学校に来る。補習用バッグは、イタリア直輸入ラム皮ショルダーバッグ。その中身は、i-Pad・携帯電話・MP3プレイヤーなどなど、装備費用は推計10万新台湾ドル(約31万7000円)前後。

 しかし、「金持ち自慢」は、私立学校だけの現象ではない。公立学校に通う一部生徒の親も、贈答品選びには抜かりがない。保護者から6万新台湾ドル(約19万円)以上もする有名ブランドバッグを贈られた教師は、いつ何時、「返してくれ」と言われるか分かったものではない。贈った方の台湾ビジネスマンは、先生に対し、「先生への贈り物はいつもこのくらいですよ。別に何か見返りを求めているわけではありません」と告げたという。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年3月26日

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