エジプト熱気球爆発事故、現地観光業への影響は必至か
エジプトの人気観光地ルクツールで現地時間26日午前、観光客21人を乗せた熱気球が爆発・炎上する事故が発生し、19人が犠牲になった。現地の気球ツアーサービスプロジェクトの責任者は、考えられる事故原因について、気球が空中に浮かび上がった後、気球内の圧力が過剰となり、高度が上がりすぎたため、炎が気球の壁に触れて爆発を引き起こしたと説明。エジプト内政部の安全管理の担当役人によると、テロリストによる事件の可能性はないという。
ルクツールの気球ツアーは有名なツタンカーメン王の墓やラムセス2世の墓など、数多くの神殿や宮殿、国王の墓が上空から一望できるため、長年にわたり現地に訪れる観光客の間で人気を集めていた。しかし、設備の老朽化など、気球の安全性に対してこれまでも不安視されていた。これ以前の2009年にも観光ツアーの気球がルクツールのナイル川西岸にある村の上空で高圧線にぶつかり、外国人観光客16人が負傷する事故も起きている。
記者も以前ルクツールの気球に乗ったことがあるが、非常に刺激的な体験だった。しかし、高度が上がるにつれ、息ができないぐらいの恐怖感を覚えた。同時に、ボロボロで古びた気球を見るうちに、気球が突然コントロール不能に陥り、墜落するのではないかと不安になった。最終的に、我々が乗った気球は垂直に墜落したわけではないが、風が強かったためか、あるいは操縦士の技術が未熟だったせいか、最後にはサトウキビ畑に着陸。乗客たちは困惑した様子で互いに顔を見合わせた。周囲のサトウキビも気球によってなぎ倒されていた。
エジプトのある旅行社で副総裁を務めるウサマ氏は「ルクツールの観光商品を改めて規範化する必要がある。特に気球のような危険性を伴う観光商品はなおさらだ。観光業として統一した基準をつくるべきだ」と指摘する。しかし実際には、現地で熱気球体験ツアーを扱う一部の会社は資格や条件に問題や不備を抱えており、安全面のリスクが潜んでいるという。ウサマ氏は「観光業は持続的な発展が可能な業界であり、目先の利益のために基本的な設備の投資やアップデートを疎かにすべきではない」と述べた。
カイロ市民のハフェイツ氏は「事故の影響でエジプト観光に二の足を踏む外国人観光客は少なくないだろう。ルクツールに行く観光客がいても、熱気球体験は敬遠することが予想され、現地の観光業に影響が及ぶだろう」と語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年2月27日