中国家庭のジニ係数0.61 所得格差深刻 (3)
■参考資料 中国は2000年以降の政府データ無し
ジニ係数(ローレンツ係数)は、20世紀初め、イタリアの経済学者コラッド・ジニが、ローレンツ曲線を用いて算出した、所得格差を示す指標のひとつ。数値は0と1の間にある。数値が0に近づくほど、所得が平等に分配されており、逆に、1に近づくほど所得分配が不平等であることを示している。国際的には、0.4が警戒ラインとされており、これを超えると所得格差がかなり大きく、0.6になると、格差はかなり深刻な状態であることを意味している。
中国政府は、2000年に0.412というジニ係数の数値を初めて発表したが、それ以降、具体的な数値は発表していない。国家統計局が発表した「中国における小康社会の全面的建設プロセスの統計観測報告(2011)」の中では、ジニ係数は、「5項目の監測指標から見て、2010年のジニ係数は、前年(0.412)をやや上回り、実現度は79.8%だった」と取り上げられるにとどまった。
今回の統計データを発表した中国家庭金融調査・研究センターは、西南財経大学と中国人民銀行本店金融研究所が共同で設立した、公益性の高い学術調査研究機関で、中国家庭の金融関連調査を全国規模で展開することを主管業務としている。今回の調査は、中国家庭の金融分野全体に関し、個別訪問方式で実施され、調査結果をもとに中国家庭金融ミクロ分野での基盤データベースが構築され、社会で共有される。同センターは、2年に1度、全国規模で世帯個別訪問調査を実施しており、全国25省(自治区・直轄市)、80県(区・市)、320村(居)委員会の約8400世帯が、サンプル世帯として抽出される。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月11日