中国家庭のジニ係数0.61 所得格差深刻
西南財経大学が実施した「中国家庭金融調査」の結果が9日、北京で発表された。これによると、2010年の中国家庭のジニ係数(所得格差の指標のひとつ)は0.61と、世界平均レベルを大幅に下回った。北京の日刊紙・京華時報が伝えた。
■注目点1:ジニ係数0.61 所得格差かなり深刻
「中国家庭金融調査」報告の統計データによると、2010年の中国家庭のジニ係数は0.61、都市部家庭のジニ係数は0.56、農村部家庭のジニ係数は0.60。これらの数値から、中国では、全国・都市部・農村部の別にかかわらず、所得格差が極めて大きい現状が浮き彫りとなった。報告では、「現在、中国家庭の所得格差は、世界でも珍しいほど極端に大きい」と結論づけている。
中国家庭金融調査・研究センターの甘犁・主任は「中国の所得の不均衡性は飛び抜けている。しかし、各国経済の発展プロセスから見た場合、高いジニ係数は、経済が急成長するプロセスではよく見られる現象であり、市場での資源配置を有効に行った結果自然に起こる現象で、それほど恐れるものではない。短期間のうちに所得格差を縮小するには、政府が所得の再配分を実施すればよい。長期的かつ全面的に所得格差を縮小させるためには、教育レベルの全面的向上を図ることで、機会の均等を実現する必要がある」との見方を示した。
報告によると、貧困家庭の低所得の最大の原因は、都市部が教育レベルの低さで、農村部が世帯主の健康状況と社会保障水準。
国家統計局中国景気監測センターの潘建成・副主任は、9日に行われた報告発表会において、「所得分配の不均等問題を解決するために、我々は都市化をいっそう加速させ、何が何でも経済のモデルチェンジを実現させなければならない」と強調した。