上海の大学で大学院生がルームメイトに毒盛られ死亡 (2)
関係者の1人は取材に対して、「黄さんは、嘔吐するなど体調を崩していたため、みんなに病院に行くよう勧められた。黄疸やトランスアミナーゼ値の上昇したほか、血小板が急激に減少。コントロール不可能になった。翌日、集中治療室(ICU)に移された。黄さんが訴える症状からして、みんな食中毒か水中毒になったと思っていた。学校の食堂もその日の食べ物を検査したほか、水も化学検査した。それでも、有機試薬の代謝物の検査は、重金属ほど簡単ではない」と説明した。
黄さんが入院後、研究仲間の一人が黄さんのルームメイトである林容疑者が、ある有機試薬を使ってマウス実験を行っていることを突き止めた。そして同試薬の薬理作用が黄さんの症状と一致。黄さんの教師と学校に報告し、翌日、警察に通報した。
■動機や入手経路などの解明待たれる
一方、上海警察は、同原稿が掲載される時点では、同事件に関して何の発表もしていない。そのため、ネット上やメディアでは「黄さんは人違いで毒を盛られた」「修士課程を経ずに直接博士課程に進むことができる推薦の座を2人は争っていたため、確執があった」など、さまざまな憶測が飛び交っている。ただ、同校で共に成績優秀だった黄さんと林容疑者は、異なる病院、異なる課で研究を進めているため、競争は存在しない。
警察は既に、林容疑者を拘束しているが、毒を盛った具体的な原因については、今後の調査が待たれる。
同大学宣伝部の責任者は、「容疑者の犯行の動機が明らかになっていないだけでなく、一部のメディアが報じている、林容疑者が盛った毒の種類や入手経路などについても、公安機関からの確認を得られていない」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年4月18日