「南中国海における行動規範」の制定を急いてはならない理由 (2)
COCについて、動機が不純なごく一部の国があれば、南中国海問題解決の「即効薬」とすべく、ひたすら制定を急かしているいくつかの国もある。ケリー米国務長官は先月ブルネイを訪問した際に再び、南中国海の航行の自由は米国の戦略的利益に合致するとして、COCの早急な調印を求めた。
COC制定を急かす国々は「COCについて協議を行なうには、良好な相互信頼を基礎としなければならない」という重要な事実を見落としている。そして現状を見ると、対話の雰囲気は楽観できるものではない。
まず、中国とASEAN各国はDOCの枠組みでCOCプロセスの推進について検討することで合意したが、事実が証明するようにDOCはまだ効力ある実行にいたっていない。フィリピンは「直接関係する主権国家が友好的な協議と交渉を通じて」とのDOCの規定を無視して、南中国海の島嶼の領有権について国際仲裁を執拗に推し進めている。最近では仮面をかなぐり捨て、交渉と協議の扉を一方的に閉じた。次に、ごく一部の国は中国と同じ方向に向かえずにいる。近年、中国はCOC交渉の推進というASEAN諸国の意向を十分に尊重し、COC制定に対して積極的かつ開かれた姿勢で臨み、COCの協議と交渉を推進する決定を含め、ますます多くの善意を示してきた。だがごく一部の国は中国の善意を大切にするどころか、反対に挑発の歩みを加速している。こうした背景の下、COCの制定は厳しい試練に直面している。
さらに深刻なのは、もし各国が規則を遵守できなければ、たとえCOCが成立しても、南中国海の平和と安定を真に、長期間維持することはできないということだ。南中国海は「問題の海、係争の海」であり続けるだろう。したがって、各国は正しい姿勢で南中国海問題とCOCを扱い、直接の当事国による協議と交渉を通じた紛争の最終的な解決に向けて良好な雰囲気をつくるべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月9日