中国外交の発する声に底力があるのはなぜか (2)
だが自らの合法的権益が重大な侵害を受ければ、中国は勇敢に暴力に抵抗し、いかなる強敵とも生死を賭けて戦う。こうした勇気と度胸は「国家を守る」という巨大なプラスのエネルギーから来るものだ。現在日本は中国の釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題において挑発を繰り返しているうえ、「侵略」の定義を曖昧にすることで極東のヤルタ体制の転覆を図っている。米国の一部政客は利己的動機から日本に肩入れし、もめ事をそそのかし、激化させ続けている。白書「中国の平和的発展」は中国の六大核心的利益として国家主権、国家の安全、領土保全、国家の統一、中国憲法の定める国家の政治制度、社会の大局の安定と経済・社会の持続的な発展の基本的保障を挙げている。近年、海洋の安全が中国の安全の重点的方向となった。このため中国の核心的利益に挑戦し、損なう行為に対して、われわれの外交的反応は自ずとことのほか情け容赦ないものとなる。
深層から見ると、中国の新外交がこのように縦横自在であるのは、外交戦略水準の向上の現れでもある。簡単に言えば、われわれの外交戦略はより明確な「敵・我・味方」意識を得たのだ。外交戦略の核心的任務の1つは、敵と味方をはっきりとさせ、脅威の源と団結の対象および拠り所を見極めることであり、そうして初めて異なる姿勢と戦略を取って自国の生存と発展をより良く守ることが可能となる。敵と味方の観念のない戦略は無用の戦略であり、四方に敵を作る戦略は愚かな戦略であり、敵と味方を見誤る戦略は危険な戦略だ。外交で事なかれ主義に終始し、主要な問題をしっかりと押さえなければ、外交資源を平均的に「ばらまく」ことしかできず、最終的には外交の場で他国の機嫌を損ねる勇気がなく、何を言い、何を言うべきでないかもわからない事態を招く。
その反対に、主たる脅威の源をはっきりとさせて初めて、外交姿勢において親疎の別を設けることができる。そよ風のように穏やかに接することも、金剛力士のように目を怒らせることもできる。習主席が初の外遊先にロシアとアフリカ3カ国を選んだこと、中国が発展途上国と「いつまでも信頼できる友人、誠実なパートナーであり続ける」こと、および最近の中印「テント対峙」の平和的解決、そしてこれらと現在のいくつかの国々に対する情け容赦ない姿勢とのコントラストは、中国の外交戦略が日に日に成熟していることを物語っている。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年5月15日