浙江省臨安市の空気といえば、証となるデータがある。街の大気の優良日数は年間345日。天目山の大気のマイナスイオン指数は通年、1万個/ccを超え、中国国家基準最高の6級だ。杭州網が伝えた。
臨安市観光局は同市の「おいしい空気」発売を計画している。パッケージ用ガラス瓶も決まり、空気を詰めることになっている。
臨安のどこに優れた空気があるのか?一番は天目山国家級自然保護区。今回発売予定の空気の場所だ。
天目山の空気がどれほど「おいしい」のか?2006年4月、浙江農林大学観光・健康学院の専門家が天目山で空気をモニタリングした結果、マイナスイオン1日平均含有量は一般的に5万—6万個/ccだった。最高地点は伏虎瀑景勝地で、驚くべき事に13万6千個/cc。新鮮な空気の基準は、1ccあたり1千-1500個以上だ。
「空気の販売は、天目山大樹王景勝地で瓶詰めします。200cc1瓶。初回価格は1瓶10元(約160円)」と観光局スタッフの張帆さんは語る。
空気を買って持ち帰り、何に使うのか?張さんによると、開封し、鼻で深呼吸すれば、心肺に吸収され、肺が洗浄されるという。
「瓶詰め空気は将来的に、臨安観光の記念品になる可能性を秘めている。ネット販売も考えています」と張さん。臨安市観光局スタッフは、発売が実現するか否か、売れ行きにかかわらず、真のねらいは人々に臨安に観光に訪れてもらい、現地で新鮮な空気を思いっきり味わってほしい、と期待を寄せている。
■「空気発売」一番乗りの日本
「空気販売」は実際には、新鮮な事ではない。そのアイデアが最も早かったのは日本だ。彼らは各地の新鮮な空気を美しい缶詰にして、店頭で販売している。
「富士山登山は日本観光のハイライト。大型観光バスで五合目とよばれる富士山中腹まで行くのが一般的なルート。五合目には観光記念品の店がいくつかあるが、なかでもほかにないものは、富士山の空気」と日本人ガイドの福田さん。
缶詰の空気。中国の缶詰の大きさほどで、価格はおよそ1千円。「でも買う方は多くありません。五合目記念として買う人がほとんど」と福田さん。
ボトル入り「新鮮な空気」のニーズは高い、と多くの人は期待しているが、「空気販売」は商売の滑稽さからは逃れられない。あるネットユーザーは、現在一般市民は「新鮮な空気」購入の必要がある生活レベルにいたっておらず、本当に空気を経済価値に転化できるのか疑問、と投げかけている。
杭州師範大学の周少雄・教授は、今回のアイデアは新たなビジネスモデル---空気を売り、景観を売らないというもの、と指摘する。
周教授は、「浅はかな景観に満足しない観光客が増えているなか、観光体験において「健康」「養生」などのニーズを満たすため、地元の空気をブランド化する景勝地が増えている。注目すべき動きであり、将来的にトレンドはより明確化するだろう」との見方を示している。(編集HT)
「人民網日本語版」2014年3月19日