日本の著名な外交歴史学者、松田武氏の力作「戦後日本におけるアメリカのソフト・パワー」中国語版が北京で9日、発表された。日本がなぜ何事にも無条件で米国に忠誠を誓うかを探る同書は、日本と米国が半永久的依存関係をなぜ形成したかなどの問題について触れている。人民網が伝えた。
「戦後日本におけるアメリカのソフト・パワー」は単なる歴史学的著書ではなく、日本の例が、現代社会のいかなる国家にとっても重要な参考的意義を有することを示している。情報高速伝達社会である今日、国家間の「文化の浸蝕」と「浸蝕される文化」は今後、より制御が難しくなる可能性があるためだ。一国家の文化に堅固な「芯」がなければ、文化競争において熾烈になるばかりの現代では、国家立国の基を失う可能性が高い。
「国際文化版図研究文庫」顔子悦・編集長はこの観点に賛同し、「『文化競争』『文化浸蝕』、これらの話題を議論する人が増えているにもかかわらず、中国市場には読者に文化ソフト・パワーの真の影響力の境地を身近に感じさせる作品がなかっただけに2008年、岩波書店の本書出版直後に私は注目し、『国際文化版図研究文庫』に収録することを決定した」と述べた。
商務印書館副編集長の陳小文氏は、「商務印書館が本叢書を出版する目的は、中国文化政策の制定者、文化戦略の研究者、中国文化復興に関心ある数多くの読者に、20世紀の西側大国文化の盛衰、および国際文化版図の変遷を理解するプラットフォームを提供し、国民が『文化の浸蝕』の不可逆性を明確に認識することができ、また中華文化伝承の必要性、そして中国の特色ある、穏やかで芯のある文化体制構築が有する長期的意義について、より深く理解して頂けたらと望んでいる」と寄せた。(編集HT)
「人民網日本語版」2014年1月14日