リオデジャネイロの駅のホームに入る中国製車両
中国製のW杯公式マスコット「フレコ」のぬいぐるみが並んだブラジルの商店 2014 FIFAワールドカップ(W杯)ブラジル大会の開幕が近づいている。中国代表チームは残念ながら出場を逃したものの、「中国要素」が異彩を放っている。手工芸品で有名な安徽省の小さな町が、世界中から注目を集めている。大会公式マスコット「フレコ(Fuleco)」のぬいぐるみがこの地で大量生産され、世界中で販売されているのだ。人民日報が報じた。
マスコット人形だけではない。W杯開催都市・リオデジャネイロ(リオ)の観光客受入キャパシティを高める一助として、中国の電動車両が導入され、中国の企業が現在、リオ郊外鉄道網の車両更新・エアコンシステム増設作業を急ピッチで進めている。 ブラジル中国・アジア太平洋研究所のSeverino Cabral所長は、「中国要素が世界各地でさまざまな貢献をしていることは、今では珍しくなくなった。重要なのは、『メイド・イン・チャイナ』のイメージが徐々に高まり、ますます良い評判を得られるようになったことだ」とコメントした。
公式マスコット「フレコ」は、アメリカ大陸が原産の哺乳動物アルマジロをモチーフとしており、ブラジルに生息する「ミツオビアルマジロ」は絶滅危惧種に指定されている希少動物。W杯組織委員会は、世界のサッカーファンの生態保護意識をいっそう喚起することを目的に、アルマジロをイメージしたデザインのマスコットを採用、名前を「フレコ」とした。「フレコ(Fuleco)」は、サッカー(Futebol)とエコロジー(Ecologia)を組み合わせた造語。公式マスコットが発表されると、安徽省天長市の同創玩具工場は、「フレコ」のマスコット人形100万個の生産契約を組織委員会と結んだ。製品第一弾は先月納品が終了、残りは4月末までに生産完了の予定だ。
「中国の技術」はこのほか、世界各地からブラジルを訪れる数百万人の観光客による「点検」を受けることとなる。2007年、W杯とオリンピックという2大国際競技大会の開催誘致に向けて観光客受け入れキャパシティの向上を目指していたリオは、世界銀行とブラジル政府から計120億ドルの資金援助を受け、都市公共交通などのインフラ改善に着手した。そんな中、中国機械進出口有限公司と中国北車長春軌道客車有限公司による合同チームは、スペインやフランスなど伝統的な列車製造大国との受注競争で頭角を現し、2回に分けて計90車両の受注に成功した。
ブラジルの経済紙「Valor Economico」は、「中国製車両が導入されたことで、リオ地下鉄の乗客輸送能力が著しく高まり、頻発していた列車遅延問題が解消された。中国製列車が運行を開始した後、運行会社に対する乗客の苦情件数は48%も減少した」と評価した。また、リオデジャネイロ州のセルジオ・カブラル知事は、「中国製車両を導入したことで、鉄道ネットワークの輸送力が向上しただけでなく、安全性と快適性も飛躍的に高まった」と賛辞した。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年1月14日