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第13回日中友好中国大学生日本語科卒業論文コンクール審査委員の所感--文化・社会部門その一

 2014年02月25日15:31
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 特定非営利活動法人日中友好市民倶楽部と淮海工学院が主催し、山梨英和大学、淮陰師範学院、天津外国語大学、中国日本語教学研究会、中国日本語教学研究会江蘇省分会、中国日本語教学研究会貴州省分会、人民網日本語版が共催する「第13回日中友好中国大学生日本語科卒業論文コンクール」は昨年6月に開催された。3カ月ほどの募集を経て、44の大学から総計48本の論文が寄せられた。

 昨年10月19日に天津外国語大学で行った審査会で、言語、文学、文化・社会の3部門の受賞作品が発表された。

 その後、各部門の審査委員を担当する方々がコンクールについての所感を届けてきた。

 文化・社会部門部門の審査委員である大連大学の宋協毅教授が寄せた所感は次のとおり。

 この度、「第13回日中友好中国大学生日本語科卒業論文コンクール」の審査員として三度目の審査に参加し、主催者側の特定非営利活動法人日中友好市民倶楽部に心から感謝すると共に、一言所感を申し上げたいと思います。

 さて、去る第8回目の当コンクールの審査員としての所感では、私は「今年は応募論文の数はともかくとして、とにかくその質の低下ぶりには審査員一同が皆嘆いていることは事実でした。」と書きましたが、久しぶりに参加した今年は違いました。

 私が審査に関わった文化・社会部門の応募論文についてですが、嘗て「えっ!そんな!というような嘆きの連続だった」ような時もあったのに比べれば、私を含めた審査員たちは皆今年の応募論文の完成度の高さと学生の知識の広さなどに改めて感銘を受けました。そして、これはお隣の言語、文学部門の審査員からもまったく同じ反応があったので、それは今年応募者全般の出来が望ましいということが分かり、小野寺先生が率いる特定非営利活動法人日中友好市民倶楽部の皆様の苦心はここで大輪の花が咲き出しているということも分かりました。

 今年の文化・社会部門の応募論文は中日両国の女性の政治参与の比較、日本人の蛇信仰、日本のメディアの中国報道、日本の小学校の外国語活動、日中両国の大学生のクリスマス観、日本のアニメが中国人学生への影響、日本のCSRの中国への影響、終身雇用制の変容、マネジメント、日本向けソフトウェアアウトソーシング、山鹿素行のナショナリズムなどの問題を取り上げているので、学生たちの問題意識の面では、かなりその視野が広がり、問題解決の力もものすごく向上したと思います。特に一等賞をゲットした山鹿素行の思想に関する論文は一見して普通の日本人も書けなさそうな内容と文章力があり、まさに驚嘆せざるを得ないものです。蓋を開けてその学生の出身校が分かり、指導教官に確認をしたら、卒業してすぐ東京大学に進学したというので、やはり本物の秀才だと、審査員の皆が口を揃えて讃えました。

 ところで、今年の応募作品の問題と言えば、やはり古い問題としての基本的な語学力の欠如によるミスが見られ、言葉遣い、文法、特に「て、に、を、は」など助詞の誤用がまだまだ目立っており、書式、句読点の間違いと口語体の論文への使用や入力ミスによる誤字などの問題もまだ消えていないところです。そこで、私は学生たちの基礎学力の充実、研究能力の訓練、人間性の薫陶など、前から我々教師にとってさらに努力しなければならない至上命題がまだまだ山積しているというところが今も完全に払拭出来ていないものだと改めて思い知らされました。そんな中で前述のあの文化社会部門の一等賞を獲得した論文を読む時の刺激はあまりにも強くて、それはこれからの日本語教育と研究の目標の一つになり得るものだと思いつつ、来年も再来年も今年のあの素晴らしい応募作品を数多く審査できることを期待して止みません。

 以上、簡単ながら所感をまとめさせていただきました。

 「人民網日本語版」2014年2月25日

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