お金を使って「貯金」する? 中国の若者の新たな消費傾向

人民網日本語版 2024年10月18日11:30

中国の若者の間では、外食する際の「ルーティン」にいつの間にか変化が生じている。

入店してメニューを見ながら、注文するという人はほとんどいなくなり、スマホを取り出して、店員に共同購入クーポンのQRコードを見せる人が増えているのだ。

ECプラットフォーム・美団のスクリーンショット

写真提供・ECプラットフォーム・美団のスクリーンショット

あるプラットフォームが発表した「2023飲食ブランド消費報告」のデータによると、2023年、ECプラットフォーム・美団や口コミサイト・大衆点評などに情報が掲載されている経営10年以上の飲食ブランドを見ると、店に行って飲食するタイプの共同購入クーポンの購入数が前年比で90%増に達した。そして、今年もその勢いが続いている。

お金を使って「貯金」する?

以前なら「何を食べるか」というのは、ワーカーにとって一番の悩みであったものの、共同購入クーポンの登場でその悩みが解決されているだけでなく、月末のお財布の「救世主」にもなっている。

なかには、「共同購入クーポンの登場で、食事はまるでカードゲームのようになっている。アプリを開いて、適当にクーポンを1枚選べば、お金が節約できるだけでなく、食べたいものがなかなか決まらないという悩みも解決できる」としている人もいる。

未使用の共同購入クーポンは、期限が切れると自動で返金される。そのため、それを「貯金の手段」と見なしている人もいる。ネットユーザーからは、「月末になって、決済アプリの収支記録を見ると、給料以外の収入は期限が切れた共同購入クーポンの返金ばかり。これで月末の金欠を乗り越えている」や「買った時は得をしたと感じ、結局食べに行けずに返金されると、『儲かった』という感じがして、なんだかうれしくなる」、「以前は人気店に行って食事をしていたが、安い共同購入クーポンを買って店に行くパターンに変わった」といったコメントが寄せられている。

未使用の共同購入クーポンは残り24枚

未使用の共同購入クーポンは残り34枚(資料写真。写真提供・プラットフォームのスクリーンショット)

クーポンを買いだめするワケは?

「食べ物」が人々にとって「生きていくために最低限必要なもの」という枠を超えた時から、クーポンを買いだめすることは、お腹を満たすことだけではない一種の「快感」をもたらすようになっている。

「寝る前にお腹がすいたら、クーポンを買おう」や「お金を使いたくなったら、クーポンを買おう」とする人がいるように、クーポンを買いだめすることで、一種の前倒しの満足感を感じている人もいる。こうした人はクーポンを買った瞬間に、ある種の「快感」を感じているのだ。

またクーポンの買いだめを「期待値の管理」と見なしている人もいる。ある消費者は、「クーポンの買いだめは、不思議な消費。実際にそのお金を使うことになるかどうかは不確定ではあるものの、リアルな快感は必ず感じることができるから」としている。

会社と自宅を往復するだけの毎日を送っているワーカーにとって、クーポンの買いだめには、また別の意義もあるようだ。「デリバリーした料理は『きちんとした食事』とは言えない。やはりホカホカの料理を食べることの方が、より自分を大事にしていると感じられる。共同購入クーポンなら、安くて、ホカホカの料理を食べることができる」といったコメントも寄せられている。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年10月18日

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