「空心村」から「モデル村」への華麗なる変身遂げた内蒙古自治区の村
内蒙古(内モンゴル)自治区興安(ヒンガン)盟烏蘭浩特(ウランホト)市東南部に位置する三合村は3つの集落からなり、同村の戸籍人口は1424人。うち朝鮮族が55%を占めている。中国新聞網が報じた。
三合村は数年前まで、留守児童(両親の出稼ぎで、農村部に残された子どもたち)と高齢者だけの「空心村(過疎で農村住民が不在となり建物だけが残されている村)」だった。烏蘭浩特市の烏蘭哈達(オラーンハダ)鎮三合村党支部の許忠峰書記によると、「あの頃は、3分の2の村民が韓国や中国沿海地域に出稼ぎに行っていた。私も含めて、みんなここ数年の間に村に戻って来た」と話す。
メーデー5連休中に、文化観光イベントを企画し、観光客が没入型でバケーションを楽しむことができるよう取り組んだ三合村(撮影・包宝音徳力格爾)。
三合村は2017年から農村振興政策のサポートを受け、村の再開発を始めた。家屋や道路を統一して計画・整備し、特色あふれる朝鮮族村を構築し、異国情緒漂う歩行者天国を作り上げた。許書記は、「村は、1983年から始まった田んぼにおける漁獲祭りや高齢者祭りといったイベントを引き続き開催しているほか、田植え祭りや収穫祭、音楽フェス、料理コンテスト、屋外バーベキューといったイベントを通して、交流プラットフォームを構築し、観光客を呼び込んでいる」と説明する。
こうして生まれ変わった村には、多くの観光客がやって来るようになった。2023年、三合村を訪問した観光客の数は延べ70万人で、観光収入は220万元(1元は約22.1円)に達した。そして、村民の1人あたり可処分所得は2万元増えた。
夏の夕方にのどかな田園の景色が広がる三合村(撮影・呉喜良)。
村に観光客が押し寄せていることを知り、出稼ぎに出ていた若者たちもビジネスチャンスを求めて、次々と戻って来るようになった。許忠光さんもその一人だ。
以前、韓国に出稼ぎに行っていた許さんは、ある時帰省して、生まれ故郷がますます発展し、特に異国情緒漂う歩行者天国が完成したのを見て、そこにビジネスチャンスを見出した。2022年5月に、三合村に戻り、朝鮮料理を提供するレストランの経営を始めた。現在、レストランはとても繁盛しており、ネット上で一度は行ってみたい人気レストランとなっている。
稲穂が黄金色に輝き、息を呑むような美しい景色が広がる三合村で記念写真を撮影する観光客たち(資料写真・撮影・包宝音徳力格爾)。
三合村は近年、「中国の少数民族の特色あふれる村」や「全国生態文化村」、「内蒙古自治区農村ツーリズム重点村」などに相次いで認定されてきた。
「空心村」から「モデル村」への華麗なる変身を遂げた三合村はすでに人気観光スポットとなっている。
三合村には現在、外部の企業24社が進出し、使用されていなかった家屋や庭などがリノベーションされて素敵な民泊施設や研修トレーニング拠点となり、観光客に豊富で多元化された体験を提供している。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年7月8日
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