新業態「村カフェ」が中国のアグリツーリズムの発展を牽引
6月12日、「河茵カフェ」で美しい自然の景色を見ながらコーヒーを飲む観光客たち(撮影・張晨霖)。
北京市の郊外・懐柔区にある常住人口100人ほどの村・上王峪村には、「村カフェ」が3軒ある。そのうちの1軒「河茵カフェ」だけでも、週末になると、500人以上の客が訪れる。
北京の中心地から約50キロ離れた場所にある「村カフェ」は木々が青々と茂る山に囲まれ、店の前には湖も広がっている。多くの人が市内から車で一時間かけてくるのは、山の景色が広がる湖のほとりで、木製の椅子に座り、そよ風を感じながら、のんびりとコーヒーの香ばしい香りを楽しむためだ。
6月12日に撮影した「河茵カフェ」のアイスコーヒー(撮影・張晨霖)。
「河茵カフェ」のオーナー・魏銘さんは、「3年前に、初めてこの村に来た時に、ここに『村カフェ』を開くことを決めた。カフェの椅子に座って、山と湖がコラボする絵に描いたような景色を眺めていると、頭の中を空っぽにすることができる。私自身、市内からここにやって来るたびに、リセットできたと感じている」と話す。
6月12日に撮影した「河茵カフェ」(撮影・張晨霖)。
中国のコーヒー消費市場が拡大し続けるにつれて、コーヒー消費のニーズも多様化している。リズムの速い都市で生活する多くの人が現在、コーヒーを飲んで、頭をスッキリさせているだけでなく、自然豊かな田舎に行って、のんびりとリラックスしたコーヒー体験に憧れ始めている。
上王峪村の「河茵カフェ」からわずか200メートル離れた場所にも、「嵄落カフェ」があり、山の斜面に沿って、100席以上が設置されている。オーナーの王春力さんは2022年9月に生まれ故郷であるこの村に戻り、村カフェを経営するようになった。
6月12日に撮影した「嵄落カフェ」(撮影・張晨霖)。
王さんは、「雨が降る日に、カフェに座って、靄のかかる山の景色を眺めるというのはとても素敵な時間。朝8時頃に来て、1日中ここに座っている客もいるし、1週間に2-3回来る客もいる」と話す。
魏さんや王さんのような若者が「村カフェ」を経営するようになると、都市で生活している人々が、かつては閑散としていた山間部にある村に押し寄せるようになっている。そして、住民のほとんどが高齢者だった村に、オシャレな装いの若者が続々とやって来て、写真を撮影したり、子供連れでやって来た人たちがのんびりした時間を過ごしたりするようになっている。
上王峪村のほかに、懐柔区全域を見ると、他にも70軒ほどの「村カフェ」がある。このように「村カフェ」がすでに、新型業態となって、中国のアグリツーリズムの発展を牽引している。「村カフェ」といった新業態の牽引の下、今年の端午節(端午の節句、今年は6月10日)に合わせた3連休中、懐柔区の農村にやって来た観光客数は延べ28万人で、観光収入は7138万2600元(1元は約22.2円)に達した。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年7月3日
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