デジタル化やスマート化で進む布達拉宮の保護

人民網日本語版 2024年06月14日15:32

西蔵(チベット)自治区拉薩(ラサ)の紅山(マルポリ)に建つ布達拉(ポタラ)宮は、西蔵で保存状態が最も完全な古代宮殿式建築群であり、貴重な世界文化遺産でもある。科学技術のサポートにより、古い歴史を持つ布達拉宮ではここ数年、デジタル化やスマート化による保護が進んでいる。マウスをクリックするだけで、3次元モデルから壁画の細部まで一目瞭然になる。800個近くの構造センサーは10年間近くにわたり1000万組以上のデータを記録。1500台以上の検出装置、9万km近くの温度感知光ファイバーが、この古い建築物のリアルタイムの常態を感知している……。科技日報が伝えた。

布達拉宮には大量の貴重な仏像、壁画、タンカ(チベット仏教関係の掛軸)などの文化財が収蔵されている。布達拉宮管理処データセンターの責任者である達娃欧珠氏は、2005年から布達拉宮のデジタル化保護事業に取り組んでいる。無数の試みと修正を経て、ドローン空撮、3次元レーザースキャン、マルチ視角画像再構築などの技術を利用し、全面的で細やかな測量作業を遂行し、布達拉宮の完全なデジタルモデルの構築に成功した。

達娃欧珠氏は取材に、「このデジタルモデルは布達拉宮のすべての細部を正確に再現した上、文化財への損傷を最小限にとどめた」と述べた。

長年の努力を経て、達娃欧珠氏はさらにチームを率い高画質カメラや画像処理などの先進設備を利用し、布達拉宮内の壁画に対して詳細なデジタル化記録を行い、すべての壁画がデジタル化により永久保存されるようにした。

布達拉宮は火災リスクに対応するため、ここ数年、科学技術の手段を持続的に導入し、安全保護を強化している。今やスマート化火災自動警報システムが布達拉宮で導入され、応用されている。

布達拉宮管理処の関係責任者は、「このシステムは先進的なセンサーとアルゴリズムを利用し、リアルタイムで宮殿内の火災状況を監視でき、火の元を発見すると直ちに警報メカニズムを作動させる。火災対応の即時性を高めただけでなく、宮殿の安全も効果的に保証している」と説明した。

布達拉宮はさらにスマート電力使用及びエネルギー消費監視システムを導入し、電気安全の細分化管理を実現した。同システムは回路の運転状況のリアルタイムの監視を通じ、潜在的な安全リスクを速やかに発見するとともに解決し、宮殿の電気システムの安定運営を保証することができる。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年6月14日

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