地上から上空に至り、5Gネットワークのカバー範囲が広がり続けている。これほど広くカバーする5Gネットワークには通信以外の用途があるのだろうか。北京郵電大学の鄧中亮教授は、それは「5G+北斗」と答えてくれた。鄧氏は、「5Gは地上のネットワーク、北斗は空のネットワークだ。その融合により通信・測位の一体化建設を実現し、高精度かつ高い時間効率性の大量の地理ビッグデータをもたらすことが可能だ」と述べた。光明日報が伝えた。
交通分野では、北斗の屋内外をシームレスに連携する測位技術は、トンネルに衛星信号が届かないという問題を解決した。
鄧氏は、「これまで衛星信号が届かない地下では正確な測位ができないために、トンネル内に監督管理の盲点が生まれた。ひとたび事故が発生すれば大きなトラブルになっていた。今や5G+北斗が問題解決に新たなアプローチをもたらしている。トンネル内に衛星信号がなくても、通信信号が存在する。今や通信と測位の融合というアプローチにより、トンネル内でも高精度の測位が実現できる。これはトンネルの通行効率の向上、トンネル事故の発生頻度の低下、トンネル事故による財産の損失の減少に役立つ」と説明した。
鄧氏はさらに、「そして私たちがよく利用するスマホ配車アプリの場合、車がどこにあるか、人がどこにいるかがすぐに判明するが、衛星測位だけではこれが実現できない。今や衛星測位と地上の通信測位を融合すれば、人と車の正確な測位を実現できる」と述べた。
スマート鉱山の建設でも、「5G+北斗」が大いに活躍している。
5Gネットワークをよりどころに、北斗測位技術を結びつけることで、鉱山の掘削・積み込み、輸送、モニタリングなどの自動遠隔制御が実現される見込みだ。鄧氏は、「5Gネットワークには低遅延の優位性があり、これに高精度の測位を加えることで、地上にいても地下機械のリアルタイム監視を実現することにより、スマート鉱山の構想を実現できる。リスクが存在する鉱山エリアで生産の安全性を最大限に高め、事故ゼロと怪我ゼロを実現する」と述べた。
「5G+北斗」は採鉱と交通以外にも、測量、ドローン農機作業、ドローン電力巡回・点検、スマート介護、重要イベント指揮・管理などの分野に利用可能だ。
中国移動(チャイナ・モバイル)が発表したデータによると、中国は現在まで4400ヶ所の高精度測位基準局を完成させ、世界最大規模の「5G+北斗」高精度測位地上強化ネットワークを形成している。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年6月6日