17日に行われた2023年度海水ウラン回収技術イノベーション連盟理事会並びに学術交流会議で明らかになったところによると、中国原子力工業集団海水ウラン回収試験プラットフォームが正式に稼働開始した。これは中国最大の開放的海水ウラン回収海上試験プラットフォームだ。科技日報が伝えた。
同プラットフォームは海南省昌江黎(リー)族自治県海尾鎮海域に位置し、フレームシステムとアンカーシステムから構成される。フレームシステムは中国最新の風や波に強いフローティングケージ特許技術を採用し、8m×8mのフローティングケージをつなげて構成される。設計上は風浪階級6(風速20.8~24.4m/s、波高6m)に耐えられる。面積は約600平方メートル。
中国原子力工業集団海水ウラン回収試験プラットフォーム。画像提供は中核鉱業科技
中核鉱業科技集団有限公司党委書記・会長で、海水ウラン回収技術イノベーション連盟副理事長の邢拥国氏は、「天然ウランは国の戦略的資源で、国の原子力発展の『食糧』だ。海洋ウラン資源の埋蔵量は45億トンに達する。海水のウランをすべて回収できれば、その核分裂エネルギーにより人類の数万年のエネルギーの需要を賄える。しかし一方で、海水中のウラン濃度が極めて低く、構成成分が複雑だ。そのため工学的応用が可能な海水ウラン回収技術の研究が大きな課題となっている」と述べた。
海水ウラン回収技術イノベーション連盟は中国原子力工業集団が先頭に立ち、2019年に設立したものだ。メンバーには中国科学院上海応用物理研究所や北京大学などの31機関が含まれる。同プラットフォームはすでに同連盟内のメンバーに開放されている。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年5月18日