動画による睡眠導入、本当に効果はあるのか？

ネットではさまざまな睡眠導入に関する動画がアップされている。夜の雨音、言葉の説明を入れないメイク動画、お菓子などを食べるシーンやその咀嚼音……動画配信者はさまざまな睡眠導入方法を教えている。少ない言葉数やささやく声は、本当に睡眠問題の解決を助けてくれるのだろうか。揚子晩報が伝えた。

「中国睡眠研究報告2023」の調査によると、2022年の中国人の夜の平均睡眠時間は7.4時間だった。8時間未満は半数近く（47.55％）、7時間未満は16.79％。

■雨の音でリラックスできる？ 好きな人がいれば嫌がる人も

「イヤホンをつけ、わずか5分すれば熟睡できる」。キャンピングカーの中にいるかのようで、透明な車窓に雨が打ちつけるという動画あれば、森のテントの中にいるかのようで、外でしとしと降る雨の音がする動画もある。「眠りやすく、この音が好きだ」とコメントするネットユーザーがいれば、「30分聞いても眠れなかった」とコメントするネットユーザーもいる。

国家2級心理カウンセラーの韓寧氏は、「雨の音は数種類に分かれるが、大多数の場合は一種のホワイトノイズで、胎児が胎内で聞く音に近い。そのため雨の日は眠りやすくなる。しかし一部の雨は落ちる場所によってその音が異なる。例えば金属製のシェードやその他の金属製のものなどに落ちると、高周波音が生じ刺激になることがある。また雨の日は湿っていて暗くなるため、落ち込んだり寂しくなったりする可能性がある。こういった感情により眠りにくくなるかもしれない」と述べた。

■音による睡眠導入は信用できるか？

ネットのプラットフォームには現在、睡眠導入をテーマとする配信者が多く、数百万人のフォロワーを抱えている人もいる。プラスチックフィルムをマイクにかぶせて摩擦によりさまざまな音を出す動画もあれば、咀嚼音や、メイクの時にフェイスブラシで肌をなでる音などの動画もある。

韓氏は取材に、「睡眠を本当に導入してくれるのは実は低周波音だ。一部の配信者はおかしな音を作っているが、その多くは音により直接的に睡眠を導入するのではなく、想像と幻想の空間を生み、その中で自分をリラックスさせ睡眠を導入しているのだ」と述べた。（編集YF）

「人民網日本語版」2023年4月13日