成都文物考古研究院が22日に明らかにしたところによると、同研究院が先進的な三次元スキャン技術を利用して構築した文化財三次元データバンクにより、人々はバーチャルな世界に足を踏み入れ、成都市の発掘調査で見つかった五代十国時代の伎楽陶俑や三国時代の崖墓などの遺跡と文化財を360度で鑑賞できる。中国新聞網が伝えた。
同プロジェクトは準ミリメートルの精度により、考古学発掘現場の遺跡と文化財の表面の凹凸及び紋様の情報を正確に読み取り、集めた情報を処理し、最終的に原寸大のサイズでこれらを正確に復元した三次元模型で考古学発掘現場の単独遺跡及び出土文化財のデジタル資産バンクを形成する。同プロジェクトは現在まで10を超える発掘現場単独遺跡のデータ模型を生成し、200点余りの美しい出土文化財のデータモデリングを行っている。
細部が非常に美しい文化財の陶楼を例にすると、人々は展示ホールでは正面からしかこれを鑑賞できず、その構造の細部を目にすることができない。しかし三次元モデリングにより360度で鑑賞できる上、動画により内部の構造の細部を示すことも可能で、さらには陶楼の製作過程をシミュレートし、より豊富な情報を直感的に展示できる。
成都文物考古研究院情報センターの馬春燕センター長は、「0.01ミリメートルのデータ収集の精度により、文化財デジタル資産成果の精度が業界トップ水準に達した。今後の文化財の予防的保護、文化財の価値の発掘と発信に正確かつ力強いデータサポートを提供している。考古学者にとっては、考古学デジタル資産の考古学発掘作業の実用性をさらに強化し、考古学発掘現場により豊富なデータサポートを提供できる。社会一般への発信にとっては、考古学デジタル資産の展示方法を豊富にすることで、文化財の文化的な価値の発掘と発信をサポートすることになる」と述べた。
馬氏はさらに、「文化財情報化の価値は最初から目に見えることだけにあるのではなく、文化財の情報を永久保存した後にその中に含まれる貴重な文化的価値を深く掘り起こすとともに、それを伝承し、未来の人々が中華文明を理解するためにより多くの貢献を行うことだ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年12月23日