南寧税関の統計によると、今年1-9月期、広西壮(チワン)族自治区から海外に輸出される商品のうち、「六堡茶」が最も売れ行き好調となった。「六堡茶」にはどんな特徴があるのだろうか?同自治区百色市凌雲県浪伏小鎮を訪ねて、「六堡茶」の魅力に迫った。人民網が報じた。
広西の名産品「六堡茶」の人気急上昇中
収穫した茶葉を茶工場に運んできた茶農家(撮影・沈泉池)。
広西浪伏六堡茶業科技股份有限公司のチーフ農芸師である、広西無形文化遺産協会の黄大雄副会長によると、「六堡茶」は「黒茶」に分類される。「黒茶」の起源は唐・宋の時代にまで遡ることができ、熟成発酵によって、茶葉が黒くなることから「黒茶」と呼ばれている。お湯を注ぐと、赤みを帯びた透明感のある色の茶になり、茶かすは黒褐色になる。味は甘く優しい滋味にあふれ、とてもおいしい。産地やメーカーによって風味や香りも異なる。
茶葉を機械に入れ、水分を適度に蒸発させて、ポリフェノールなどの物質を適度に変化させる工程(撮影・沈泉池)。
茶葉を加熱し、茶葉に含まれるポリフェノール系化合物酵素の働きを止めるほか、水分を蒸発させ、茶の香りを強める「殺青」とよばれる工程(撮影・沈泉池)。
凌雲県の白毫茶が作る「六堡茶」は特別で、熟成の長さによって香りが変わる。例えば、3年以下の場合、蜜のあまい香りが濃く、しっかり圧縮して固めて4-6年寝かせると、もち米の香りが強くなる。8年以上になると、蜜の香り、もち米の香り、発酵した香りが混ざり合い、風味豊かになる。若者の間で最も人気となっているのは、蜜の香りがするタイプで、売上高が毎年30%のペースで増加しており、市場の今後の見通しも明るい。
機械で茶葉を揉み、茶葉の組織細胞を壊し、茶の成分浸出を良くする工程。茶の成分がこの時点で葉の表面に浸出する(撮影・沈泉池)。
茶葉を乾燥させ、色、香り、味を高める工程(撮影・沈泉池)。
近年、広西チワン族自治区は、トップレベルデザインからスタートして、「六堡茶」の全産業チェーン体系を積極的に構築し、茶産業は現在、生産量、価格、売上高が急速に伸びるようになっている。2021年、「六堡茶」の総生産高は110億元(1元は約19.5円)に達した。そして、今年は、「六堡茶」の公用ブランド価値が37億6400万元に達し、同省の茶葉で最高となった。(編集KN)
黒茶特有の「渥堆」と呼ばれる工程。「渥」とは、茶葉に水をかけることを指し、「堆」とは、茶葉を積み重ねることを指す。「渥堆」の工程で、茶葉の炭水化物やペクチン、水溶物が増え、茶ポリフェノールが分解される。それらの変化により、さらに甘く、口当たりがよく、うまみ、風味がある茶ができる(撮影・沈泉池)。
60日間「渥堆」して発酵した六堡茶(撮影・沈泉池)。
「渥堆」して発酵させた後、圧縮した「六堡茶」は保存しやすくなる(撮影・沈泉池)。
圧縮した「六堡茶」をさらにゆっくりと発酵させる工程。その時間は求められる品質によって異なり、少なくとも180日以上寝かされる(撮影・沈泉池)。
「人民網日本語版」2022年12月19日